1: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 10:33:54.06 ID:0NIRLymJ
東京  駅前

 

千歌(23)「……どこかな、んん、駅間違ってないよね?」キョロキョロ

善子(22)「――ん、千歌」


千歌(23)「あっ!! 久しぶりー!!!!」


善子「久しぶり」

千歌(うわっ……かわいい…………綺麗って方が合ってるかな……)

千歌「……」ジ-ッ…


善子「な、なによ」


千歌「う、ううんなんでも! 1年半ぶりくらいだね!」

善子「それくらいかな、とりあえずここで話しててもあれだし……ウチに行きましょ」

千歌「うんっ、おじゃましまーす!♡」

千歌「近いの?」


善子「10分くらい」

2: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 10:36:09.06 ID:0NIRLymJ
スタスタ…

千歌「ふぁぁ、もう歩きつかれたよぉ」


善子「久しぶりの東京は楽しかった?」

千歌「うんーっ!」

千歌「久しぶりにこっちに出た友達にも会えたし、社会人で疲れた心がほあほあーって、癒された感じ?」

善子「普段は疲れたOLなのね」


千歌「そうなのーっ、善子ちゃんも来年以降はそうなるんだからね!!」


善子「……それは想像したくない」

千歌「ほれほれー早く働け~」


千歌「でもよしこちゃんくらい綺麗だったらなんか色々余裕そうだよね」

3: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 10:37:24.69 ID:0NIRLymJ
善子「なによそれ」


千歌「周りの人が可愛がってくれそう」


善子「ああ……たしかにそうかも」

千歌「……」


千歌「昔はよしこちゃん、かわいいっていってあげたら顔真っ赤にしてたのになぁ」

善子「いつの話してるのよ」


千歌「言われ慣れちゃった?」


善子「そうかもね」


千歌(むぅ、ちょっとクールになったかなぁ……まあ、こんな美人ならそうなるのかなぁ)


善子「ここよ、入って」


千歌「おじゃましまーす!」

4: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 10:40:34.85 ID:0NIRLymJ
千歌「えへへ、綺麗だね」

善子「あなたが来るって聞いて慌てて掃除しただけよ」


千歌「ほんとに今日は大丈夫だったの?」


善子「平気。それより私が断ってたらあなた宿はどうするつもりだったの」


千歌「うーん……ネットカフェか、他の友達あたってみるしかなかったから本当に助かったよー!!」

千歌「梨子ちゃん、急に今日はダメになっちゃったとか言うんだもん」ムスッ


千歌「ま、善子ちゃんに聞いてみるって言ってくれたからセーフだけどね!」

善子「全く梨子ったら…………」


千歌「……」ジ-ッ…


善子「さっきからちょくちょく……なに?」

7: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 10:42:36.21 ID:0NIRLymJ
千歌「いや、ほんとにかわいいなって」


善子「あ、あっそ……ありがと」


千歌「そのメイク、今日は出かけてたの?」

善子「ええ、友達とご飯食べてただけだけどね」

千歌「大学生してるなぁぁ」


善子「あなたも半年くらい前までそうだったでしょ」

千歌「でも東京の大学はなんか華やかな感じするからさ」


善子「そうかな……」


千歌「そうだよー! あっ、ごめん……シャワー借りてもいい? こんな暑い中歩き回ったからもうぐしゃぐしゃ」アハハ…


善子「ん、こっちにあるから――」

9: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 10:44:48.82 ID:0NIRLymJ
◇――――◇


善子「コンビニで良くない?」

千歌「近くにスーパーあるの見逃さなかったよ~」

千歌「こっちの方が色々置いてるしっ!」

千歌「安いしっ!」

善子「まあ……」


千歌「んー、どうしようかなぁ……」

千歌「あ、これと……これ」


千歌「善子ちゃん何がいーい?」

善子「何買ってるのよ……」

千歌「ん? お酒だよ♡」


善子「そんなにたくさん?」

千歌「善子ちゃんの分もっ!」

善子「の、飲まないわよ?」


千歌「えー!? やだやだっ、飲もうよー! せっかくこんな機会なんだしさぁ!」

善子「えー……」


千歌「ね、ね、ね??」

善子「ぅぅ」


千歌「ほら、どれがいーい?♡」

11: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 10:51:15.84 ID:0NIRLymJ
◇――――◇

千歌「かんぱーいっ!」


善子「乾杯」コツン

千歌「ごくっごく……あーっおいしいぃ」


善子「ごく……んっ、普段からよく飲むの?」

千歌「全然飲まないよー、ふだんは静岡だから車社会だし」


千歌「だから時々こうやって人と飲むのはすっごくたのしいんだ~」


千歌「善子ちゃんとお酒飲むの……1年生組が全員成人した時のお祝い以来かな?」


善子「そうね、私もそんなに強いってわけじゃないし」

千歌「へにゃへにゃになってたもんね~あの時~」


善子「へ、へにゃへにゃになんてなってないわよっ//」

12: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 10:52:06.24 ID:0NIRLymJ
善子「あれは果南が、バカみたいな量勧めてきたからっ//」

千歌「かなんちゃん強いもんな~」ゴクッ…


千歌「はぁ~」


善子「もう一本開けたの、はや……あなたも強いの?」


千歌「んー、普通かなー強くもないし弱くもないよー」


千歌「ほらーちょっと酔ってきたもん」エヘヘ…

千歌「よしこちゃんももっとのもーよー」


善子「そ、そんなに量はいらない」


千歌「そんなこと言わずに~、あ、そいえば……善子ちゃん今付き合ってる人とかいるの~?」

13: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 10:55:30.35 ID:0NIRLymJ
善子「ん…………いるけど」

千歌「わっ、やっぱりそっかぁ、かわいいもんな~」


善子「あなたは?」


千歌「私? 私はいないよー、残念ながら」


千歌「2年くらい付き合ってた人いたんだけどねぇ、大学卒業あたりで別れちゃった」


善子「そっか……まあ、色々あるわよね」

千歌「色々あるんだよ~」ゴクッ…


善子(付き合ってる人、ねえ……)ゴクッ…


善子「その缶取って」


千歌「ん、どうぞー」


善子「ありがと」プシュ…ゴクッ…

14: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 10:56:41.17 ID:0NIRLymJ
善子「ま、私も付き合ってる人いないけどね」


千歌「へ?」


善子「さっきのはウソ」


千歌「えーー、なんでウソなんかつくの!?」


善子「反応見たくて」

千歌「なにそれー」

善子「なんとなくよ」


千歌「でも今までたくさん恋愛してきた?」

善子「まあ…………そこそこは」


千歌「かわいいもんねぇ、そりゃ寄ってくるよ~」


千歌「美人は3日であきるなんて言うけど、千歌ならずっと飽きないよ絶対~」

16: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 11:00:18.28 ID:0NIRLymJ
善子「あ、あっそ……//」ゴクッ…

千歌「今好きな人とかいないの?」


善子(……好きな人、ね……)ゴクッゴクッ…


善子「残念ながらそれもいない」


千歌「そうなんだ~」ニコニコ…


善子「あなた、お酒入るとずっとニコニコしてるわね」

千歌「えー、そかなー? だってなんか楽しくなるんだもん~」


善子「まあ、いいけど……」ゴク…


千歌「なんかペース早くなってきたね」

善子「いいでしょ、別に」


千歌「どんどんいこー」

17: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 11:01:55.27 ID:0NIRLymJ
善子「……」

善子「千歌は高校生の時とか、付き合ったりしてなかったわよね?」


千歌「? うん」


善子「すきなひとも、いなかった?」

千歌「うん」


善子「……そ、よね」ゴクッ…

善子「……………」ゴクッゴクッ…


善子「……わたしね」

千歌「?」


善子「ん、や、やっぱりなんでもない」


千歌「えー!? そういうの千歌嫌いー! 言ってよぉ~!」

19: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 11:09:57.30 ID:0NIRLymJ
善子「や、いまさらいうことじゃ……」

千歌「なになになに!?」

善子「……ぅ。……わたし、ね」

千歌「うん」

 

善子「高校生の頃……あなたのこと――好き、だったの」

 

 
千歌「……………へ?」

善子「わ、笑うでしょ」


千歌「え、あ、いやいやいやいやっ……そうじゃなくて、え……?」


千歌「ほんと、に?」


善子「……」ゴクッゴクッ……


善子「その缶ちょうだい」

22: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 11:16:55.52 ID:0NIRLymJ
千歌「あ、うん……」


プシュッ…


善子「ほんとよ」

千歌「そ、そうだったんだ……いや、全然、気づかなかった……」


善子「ま、言うつもりもなかったし」


千歌「なんでわたしなんか……」


善子「……結構いたかもね、あなたのことを好きな人って」


千歌「いやいやっ、そんなわけ!」

善子「ま……どうかはわからないけど」


善子「私はあなたのこと好きだったっていうのは、本当よ」

千歌「……」


千歌(いやいや、え、ほんとに……?)


千歌「り、理由とかって……」


善子「理由……そうね……」ゴクッゴクッ……

23: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 11:17:47.56 ID:0NIRLymJ
千歌(お酒すっごいすすんでる…………)

善子「……なんていうか、ほら……今こうしてふたりでいるのもそうだし、大学に進学したのもそうだし……高校楽しかったなって思えるのも、なんか……あなたが私のこと見つけてくれたからって言うか……」

千歌「……」

善子「ほ、ほら! 好きなことは好きでいいって、言ってくれたでしょ……あなたにとってそんな重要なことじゃなかったとしても――私にとっては、人生のターニングポイントだったって言えばいいのかな……」

千歌「……」

善子「もちろん、あなたにとってそこまで重要な出来事じゃないってことくらい分かってるし、当時だって分かってたつもりだし……そもそもあなたが誘ったうちの8人の中の1人だったわけで……」ゴクッ…

善子「歌詞を書くとか曲を作るとか衣装を作るとか、べつにグループに直接的に関与してたわけじゃないし学年も違うし家も遠いし多分当時のあなたにとって優先度も高くなかったんだろうなって思ってて……」


善子「あー……ごめんなさいべらべらべらべら訳わかんないこと……」

25: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 11:19:07.07 ID:0NIRLymJ
善子「……だいたいそんな感じよっ、高校生が人を好きになるには十分な理由でしょ!?」ゴクッゴクッ……

善子「ぷは……あーー……」


善子「んぅ……」


善子「だから、あなたがリトルデーモンにならなかったの、ちょっと気にしてたんだから……ノってはくれるけど、あ、大丈夫です~とか言って絶対なってくれなかったじゃないっ!」

千歌「あ、あれはなんというか……」アハハ…


善子「ダイヤみたいな最初っからノってくれない人以外で、最終的にリトルデーモンにならなかったのはあなただけなんだからね!!! 1号の名をつけてあげようと思って開けてたのにっ!!」

 

千歌「あ、あはは……ギランッ」


善子「そ、それはもうやめてっ! 卒業したのっ////」

27: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 11:29:11.74 ID:0NIRLymJ
千歌「ヨハネちゃん♡」


善子「ヨハネは卒業したの~っ!!」///

千歌「えへへ」


千歌「……でも、なんか不思議。本当にそんな風に思われてたなんて」

善子「……まあ、ね」


千歌「でも、8人の中の1人だとか……優先順位とか、そういうのは無いつもりだったんだけどな」


千歌「そりゃもちろんおんなじ学年の方がいる時間は多くなるし、遊ぶ時間も多くなるかもしれないけど……あ、それが優先順位って、なるのかな……」

千歌「でもほんとにそういうつもりはないの、みんなにありがとうって思ってるからさ」

善子「……あっそ」


善子(みんな、ね……)


 


 

善子「…………いまだから聞くけど、あの時、高校生の時、もし私が告白してたら……ど、どうなってた?」

28: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 11:31:03.44 ID:0NIRLymJ
千歌「ふぇ///」

善子「……」


千歌「わかん、ないけど……付き合ってた、かも……当時告白されたこととか、なかったし」


善子「そっ、か」


千歌(こ、こんな綺麗でかわいい子が、ち、ちかなんかのこと…………)////

千歌(ほんとうにそんなこと、あったんだ……)


千歌「……こんなこと言うのは変かもしれないけど、後悔とか、してる?」


善子「……」


善子「……大学1年生くらいまでは、してたかも。笑うでしょ」ゴクッゴクッ…

千歌「笑わないよ…………い、いまは昔のこと、なんともおもって、ない?」


善子「まあね……こうやって話すくらいだし」


千歌「あはは、そうだよね」

29: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 11:33:23.18 ID:0NIRLymJ
千歌(もし告白されてたら、私は善子ちゃんと付き合ってたのかな……)


千歌(わかんないけど)


千歌(あの制服を着て、デートなんて言って……近くの駅で遊んでたのかな)

千歌(今はもちろん……あの時に比べたらいろんな世界を見たと思うし、人並みに恋愛はしたと思うし……)

千歌(でも、なんだろ……なんかやっぱり高校時代のことって特別で、その中でももっと特別なことが起こってたかもって考えると)

千歌(ドキドキっていうか、なんというか……不思議なきもちに、なる……)

 


善子「……なんか、すっきりしたかな」


千歌「言ったから?」


善子「多分ね」

30: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 11:34:49.41 ID:0NIRLymJ
善子「ごく……ぷは……久しぶりにおさけのむと、おいし……」フラフラ…

千歌「ごくっ……ごくっ……」


千歌(なんか、もやもやする……過去のこと言ってきただけなのに、意識する必要なんてないはずなのに)

善子「……」


千歌(かお、赤い……よしこちゃん顔に出るタイプなんだ)

千歌(正直、すっごくかわいい……高校の時よりずっとかわいいかもしれない)


善子「?」


千歌「///」


善子「どうしたの? 顔真っ赤よ? ふふ、顔に出るタイプなのね」


千歌(ぅ、わたし……顔に出るタイプじゃないんだよなぁ……)

34: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 11:38:02.08 ID:0NIRLymJ
千歌(こっちがこんなわけわかんない感じになってるのにっ、ひとりで胸のうち晒して気持ちよくお酒飲んでさ……ずるいずるいずるい)


善子「はぁ……ん……」トロン…


千歌(完全に酔っちゃってる……か、かわい……)


千歌「……ご、ごめんトイレ行ってくるね……」

善子「あーい、出て右ね」


スタスタ…バタンッ…


千歌「わたし……なに考えてるんだろ……すっごい意識、してる気がする……」

千歌「……」


プルルルル…


梨子(23)『あ、千歌ちゃん』


千歌「あ、あの……」


梨子『今日はほんとうにごめんねっ……善子ちゃんの家につけた?』


千歌「うん、今善子ちゃんちいるよ」

梨子「よかった……」


千歌「そんなに心配しなくてもへーきだよ、私だってもう大人なんだから」

36: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 11:40:29.88 ID:0NIRLymJ
梨子『そ、そうだよね』

千歌「…………」


千歌「…………梨子ちゃんはさ、東京で善子ちゃんとよく遊んでた?」


梨子『え? よくってわけじゃないと思うけど……時々は』


千歌「そ、なんだ」


千歌(高校のときから、善子ちゃんと仲良かったもんね……)

 

千歌「…………」



千歌「あ、あのっ!」

梨子「?」

千歌「――善子ちゃんのこと、おしえて……」///

梨子「へ?」


善子「――ちぃかぁ……でんわしてるのー? まだー?」ドンドンッ


千歌「わわっ、またこんどねっ!」ブチッッ


千歌「すぐでまーす!」


ガチャッ…

37: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 11:43:00.75 ID:0NIRLymJ
善子「なーに人の家で電話してるのよ」ムス…


千歌「あはは、ごめん」


善子「ぅぁ……」ヨロ…


千歌「わわっ」ダキッ

千歌「だ、だいじょぶ……?」


千歌(ほ、ほんと……びじんだなぁ……///)ドキドキ…


善子「ぅ、ごめんなさい……なんか、酔っちゃった、みたい……」


千歌「う、うん……」ジッ…


善子「な、なによ」


千歌「いや……あの、ほ、ほんとに……かわいいなって」


善子「は、はあ!?」///

善子「へ、変なこと言うのやめてよ」


千歌「あ、ご、ごめ」//


 
善子「トイレ……いい?」


千歌「うん……」

38: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 11:44:07.31 ID:0NIRLymJ
バタン……


千歌「わたしったら……いきなりなに言ってるんだろ……」

千歌「お酒のせい、かな……」


千歌「きっとそうだよね……」ゴロン…


千歌「ベッド……よしこちゃんのいいにおい、する……」


千歌「……ん」モフモフ…


千歌「って、へんたいみたいっ!」

 

善子「――なに人の枕に顔埋めてるのよ、もう飲まないの?」


千歌「あ、いや、あはは……」

善子「ほら、まだいけるでしょ?」


千歌「え……あ、うん」


千歌(なんか変なスイッチいれちゃったかなぁ……)

39: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 11:45:26.63 ID:0NIRLymJ
善子「……」ゴクッ…


善子「ん……もうおつまみない……」


千歌「買ってくる?」

善子「何か軽く作ろうかな」

千歌「えっ゛料理できるの?」


善子「できるに決まってるでしょ、こったきてからずっと一人ぐらいしてるんだから」

フラフラ…

千歌(だいじょぶかな……相当酔ってるみたいだけど)


ジュ-ジュー…


千歌(何か炒めてるのかな……)

千歌「……」ゴクッ…


千歌(わたし……よしこちゃんのこと……もしかして、すき、なのかな)


千歌(いやいやいやいや、もう23になったのに四年くらい前の気持ちを告白されただけでそう思うなんて単純すぎない? 乙女かっ)

40: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 11:46:43.27 ID:0NIRLymJ
千歌(多分これ、好きってわけじゃないんだと思う)


千歌(気になってる……そう、気になってるとか興味があるとか、そんな感じ……かな?)


千歌(ああもうっ、もうとっくに大人になったのに……こんな、もやもやするなんて……)

 

千歌(胸がきゅぅってなるような、なんか、不思議な感じ)


千歌(高校時代に恋愛してたら……こんな、感じだったのかな……)ゴクッ…

 
 

善子「はいできたわよー」

43: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 11:51:18.19 ID:0NIRLymJ
千歌「おいしそう……辛くないよね?」


千歌(野菜とお肉の炒め物……)


善子「辛くないから、いつの話してるのよ」

千歌「あはは……そうだよね、ごめん」

千歌(そうだ……もう高校の時のことなんて、随分前のことなんだ)

千歌「………あむっ、わ……おいしいねぇ」エヘヘ…

千歌(こんなに美味しい野菜炒めが、その証)

千歌(私もよしこちゃんも、時間が経って、見るものが変わって……当然なんだけど、だから昔のことなんて……)

善子「でしょ?」フフッ…

千歌「……」ドキ…

 

善子「……あなたは明日いつ頃帰るの? 朝?」


千歌「んと…………そのつもりだったんだけど」

善子「?」


千歌「…………」


千歌「夜、帰ろうかなって……」

善子「何かしてから帰るの?」


千歌「えーと、東京ちょっとみて回ろうかなって」


善子「ふーん、いいじゃない」ゴク…

45: 名無しで叶える物語(おにぎり) 2018/06/26(火) 12:04:04.46 ID:0NIRLymJ
千歌(でも、梨子ちゃんちに泊まるの断られて……ふたりっきりになる機会ができて、強引にお酒勧めてなかったら善子ちゃんの埋もれそうになってた気持ち……聞けなかったかもしれないんだよね)


千歌(それってなんか……すっごくタイミングがいい気がするし、偶然て片付けたく、ない気がする)


千歌(よしこちゃんが結構長い間後悔しちゃったなら、私は後悔したくない)

千歌(もう昔みたいに、頻繁に会えるわけじゃないんだから。次会うのはもしかしたら2年後になるかもしれないんだから)


千歌「ね、ねえ! 明日予定とかある?」

善子「……なんで?」


千歌「――もう東京飽きちゃったかもしれないけど……一緒に東京観光、しない?」

 

千歌(うぅ、言っちゃったぁ)

千歌(お酒の力、借りちゃったかも)

千歌(でも私はもう大人だもん。だからね、大人になったあなたとこの気持ちの正体、見つけたいって思います)


善子「……しょうがないわね」

 

千歌「ほ、ほんと! いいの!?」


善子「いいって言ってるでしょ、じゃあ明日に備えてこれ飲んだらもう寝ましょ」


千歌「うんっ、えへへ……」

 
 

千歌(まだ名前が見つからないこのきもち、青春を一緒に駆けたあなたとなら、なんだか、見つけられそうな気がして)

 


 
 

おわり。

46: 名無しで叶える物語(SB-iPhone) 2018/06/26(火) 12:05:42.30 ID:Qso34fl/
終わりぃ!?

47: 名無しで叶える物語(たこやき) 2018/06/26(火) 12:09:10.88 ID:DYrGVGj8
|c||^.- ^||は?

48: 名無しで叶える物語(茸) 2018/06/26(火) 12:11:35.92 ID:wxMkPZKJ
続くパターンだろぉ!これぇ!!