1: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/05/13(日) 02:12:46.71 ID:aBRpPfti
善子「そう言えばダイヤってさ、なんでハンバーグ嫌いなの」

ダイヤ「…別にどうでもいいでしょう」

善子「はっはーん……さては大人ぶってるだけで大好物だったり?」

ダイヤ「んなっ……!!!そんなわけないでしょう!?」

善子「じゃあ教えてよ」

ダイヤ「構いませんが聞いて面白い話ではありませんわよ?」

善子「まぁ嫌いなものの話なんてそんなもんでしょ」

ダイヤ「はぁ……あまり思い出したくないことですが仕方ありませんわね」


あれは私がまだ小さい頃のお話です……………

5: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/05/13(日) 02:25:48.37 ID:aBRpPfti
当時幼稚園の年長か小学校に入ったくらいの私はハンバーグが大好物で、お母さまに見てもらいながら家族分のハンバーグを作っていましたわ

ダイヤ「んしょ…んしょ………この大きいハンバーグはお父さまのですわ!」

黒澤母「まぁ!よくできたわね、偉いわ」

ダイヤ「えへへ……あ、黒服さん」

黒服「お、ダイヤお嬢奥様のお手伝いですかい?」

ダイヤ「ちがいます!わたくしがつくっているんです!」

黒澤母「そうよね、母様は見ているだけよね」

ダイヤ「むーーーー!」

黒服「ははは、こりゃ失敬……」

7: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/05/13(日) 02:30:12.08 ID:aBRpPfti
prrrrrrrrrrrr……

黒澤母「あら、電話………私は一瞬席を外しますので、ダイヤを見ててあげてくださいな」

黒服「へい」

ダイヤ「お母さまが居なくても大丈夫ですわ」

黒澤母「頼もしいわね、それじゃお願いね」

ダイヤ「はーい」

8: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/05/13(日) 02:35:09.25 ID:aBRpPfti
黒服「ひい、ふう、みい………4つですかい」

ダイヤ「わたくしにルビィ、お父さまにお母さまの分ですわ!」

黒服「……………」

ダイヤ「どうかしたんですの?」

黒服「あはは、いやサファイヤ嬢の事を思い出しちまって…本当はハンバーグも五つだったんだろうな……」

ダイヤ「さふぁいや?宝石が好きなんですの?」

黒服「忘れてくだせえ…へへ、ハンバーグに混ぜてある玉ねぎのせいですかね目が染みやがる」

ダイヤ「わたくしは染みませんが…目薬を持ってきましょうか?」

黒服「いえ!ちょっと目を洗えば済むことです。あっしはちょっくら目を洗ってきますんで、お嬢は座って待っててくだせえ」

9: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/05/13(日) 02:36:45.69 ID:aBRpPfti
黒服「はぁ…奥様にしられりゃえらいことだな。居なくてよかったぜ全く」

黒服「さ、仕事仕事っと……」

「少しいらっしゃいな」

11: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/05/13(日) 02:41:13.36 ID:aBRpPfti
ダイヤ「遅いですわねー…」

黒服「お嬢、どうされたんですか?」

ダイヤ「今ハンバーグを作ってますの」

黒服「お嬢おひとりで?」

ダイヤ「お母さまたちを待っているのですが…」

黒服「私で良ければ見ましょうか?奥様もお忙しいでしょう」

14: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/05/13(日) 02:50:50.87 ID:aBRpPfti
黒服「ほーう、上手にこねましたね」

ダイヤ「そ、そうでもないですわ!」

黒服「いやいや本当にお上手で、これは将来奥様に負けない料理上手ですぜ」

ダイヤ「………///」

黒服「この小さいハンバーグは?」

ダイヤ「これはルビィの分ですわ!」

黒服「赤ちゃんの手みたいですね」

ダイヤ「へ?」

黒服「あーいやね、丁度この前赤ちゃんの手だけを見る機会がありまして。そっくりだなぁって」

ダイヤ「うっ……」

黒服「なーんて冗談ですよ!ってお嬢大丈夫ですかい」

ダイヤ「だ、大丈夫ですわ……」

黒服「そいつぁよかった。こねるまでは出来ましたんで後は奥様が来るまで待っててくだせぇ。私はこれで」

16: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/05/13(日) 02:56:59.83 ID:aBRpPfti
ダイヤ「お母さま、いつまで電話してるんですの…」

黒服「お嬢、台所で何を?」

ダイヤ「お母さまたちとハンバーグを……」

黒服「タネを丸めるとこまで出来たなら後は焼くだけじゃねぇですか」

ダイヤ「大人がいないときに火は使ってはいけないとお母さまが」

黒服「居るじゃねぇですか、ここに」

ダイヤ「作ってもいいんですの!?」

黒服「上手に焼いちまって旦那様や奥様を驚かせましょう」

ダイヤ「はい!」

19: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/05/13(日) 03:04:37.04 ID:aBRpPfti
ダイヤ「~♪」

黒服「もうちっと弱火にしましょう、表面が焦げ付いちまう」

ダイヤ「は、はい!」

黒服「そうそう、じっくり焼くのがコツでさぁ」

ダイヤ「お料理上手ですのね」

黒服「料理ってより肉に詳しいんですよ」

ダイヤ「?」

黒服「お嬢、ハンバーグに使うミンチ肉って何が入ってるかご存知ですかい?」

ダイヤ「牛さんや豚さんじゃありませんの…?」

黒服「お、流石お嬢賢い。それじゃその牛さんや豚さんをバラバラにする機械を動かすのは?」

ダイヤ「大人の人?」

黒服「そう、大人の人。この辺だと旦那様……お嬢のお父様が作った会社の工場がありましてね、きっとこの肉もそこで作ったものでしょう」

ダイヤ「お父様は凄いですわ…!」

黒服「えぇ、旦那様は凄いお人ですよ。人一人死んでももみ消しちまうんだから」

20: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/05/13(日) 03:10:05.77 ID:aBRpPfti
ダイヤ「死んだ…?」

黒服「そう、ミンチ肉を作る大きな機械に巻き込まれた馬鹿な従業員が一人いましてね。ひょっとすればこのハンバーグの肉も……」

ダイヤ「うっ……」

黒服「はっはっは!!!!なんて嘘に決まってますからねお嬢、人一人巻き込むような機械なんてそうそう……」

ダイヤ「うぷっ……」

黒服「食事前にする話じゃありませんでしたね、すいません。汚ねぇ大人共ばっかと居るといざって時こんな冗談しか言えねぇや」

ダイヤ「おえ…」

黒服「お、お嬢?」

ダイヤ「おろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろ」

黒服「やっべ!ハンバーグにゲロが…!!大丈夫ですかい、お嬢!お嬢!」

21: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/05/13(日) 03:14:33.18 ID:aBRpPfti
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ダイヤ「ということがありましたの」

善子「あー…好物にゲロ引っかけたんじゃトラウマにもなるわよね」

ダイヤ「そうですわね、他にも色々と思うところはあるのですが…」

善子「今の話で引っかかるところあった?お手伝いさんの前で吐いちゃったって話でしょ」

22: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/05/13(日) 03:22:55.85 ID:aBRpPfti
あの日以来、黒服の三人を見かけることはありませんでした。

そして黒澤の家を調べれば調べるほど表ざたには出来ないことに手を染めていることも知りました。

恐らく彼らはもう…

それでも分からないことが一つ、サファイヤって誰?

23: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/05/13(日) 03:24:14.85 ID:aBRpPfti
善子「今度はハンバーグ私の分も作ってもらおうかな」


「お姉ちゃん♪」

終わり

24: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/05/13(日) 03:25:42.79 ID:aBRpPfti
詩音の缶詰がトラウマの話を思い出して書きたくなった
ぶっちゃけ詰まらないと反省している