1: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2017/12/03(日) 08:23:16.76 ID:Ly5msPs2
ようまり

2: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 08:24:29.46 ID:EHYp2QDr
渡辺家

曜「…」ワクワク

曜「…」ソワソワ

ピンポーン

曜「!」モニターチェック

鞠莉『~♪』

曜(鞠莉ちゃんだ!)

3: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 08:27:12.91 ID:EHYp2QDr
ピッ

曜「鞠莉ちゃん!」

鞠莉『ハァーイ!』フリフリ

曜「ふふ、今行くね!」

タッタッタッ…ガチャ

曜「まりちゃ」

鞠莉「シャイニー!」ハグッ

曜「わあっ!?」

5: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 08:29:08.46 ID:EHYp2QDr
鞠莉「ふふっ。思った通り、すぐ来てくれた!」

鞠莉「私が来るのを、首をロングにして待っててくれたんだねー」ナデナデ

曜「ちょ、いきなりのハグはやめてって。前から言ってるじゃん」

鞠莉「それは無理な相談だって、前から言ってるでしょー」

曜「もう…ほら、寒いから入って入って」

鞠莉「はーい、お邪魔しまーす♪」

曜「わっ、このまま歩かないでってー!」

6: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 08:31:12.87 ID:EHYp2QDr
リビング

曜「今日はお母さん遅いって言うから、遠慮しないでくつろいでね」

鞠莉「ありがとう。では改めて、シャイニーっ!」ハグッ

曜「わっ。鞠莉ちゃん、今日はいつも以上にシャイニーしすぎだよ」

鞠莉「だって嬉しいんだもん!多忙と激務と書類の山を乗り越え、ついにやってきた曜と過ごす週末だよ!」

鞠莉「今日と明日は、頑張った自分へのご褒美デース!」

曜「ふふ…ん?」

鞠莉「ふふっ」ニコニコ

曜「…んん?」

7: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 08:32:21.74 ID:EHYp2QDr
鞠莉「あら、どうしたの。いきなり黙っちゃって」

曜「鞠莉ちゃん」

鞠莉「んー?」

曜「ちょっとごめんね」ギュ

鞠莉「きゃっ」

曜「ん…」

鞠莉(だ、抱きしめ返してくれた)ドキッ

8: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 08:33:55.20 ID:EHYp2QDr
曜「これは…」

鞠莉(なんだか真剣な顔してる…体が火照って、ドキドキしちゃう…)

鞠莉(この感じ…もしかして私、曜に…)

曜「やっぱり…」

鞠莉「え…」

曜「鞠莉ちゃんさ、ひょっとして――」

鞠莉「…っ」ドキドキ



曜「――お熱ない?」

鞠莉「…ふぇ?」ぽえー

10: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 08:38:41.73 ID:EHYp2QDr
曜の部屋

曜「37.8℃、やっぱりお熱あるね」ホラ

鞠莉「むー…」

曜「そんな顔しないの」

鞠莉「せっかく遊びに来たのに、どうしてベッドに寝かせられなきゃいけないの?」

曜「しょうがないじゃん、お熱があるんだから」

鞠莉「全然そんな感じしないし、マリーはシャイニー全開だし。体温計の誤作動じゃないかなー?」

曜「お耳失礼」スポッ

鞠莉「ひゃっ!」

11: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 08:42:10.68 ID:EHYp2QDr
曜「はい、動かないでねー」スッ

鞠莉(…ちかい)ピピッ

曜「ん、37.7℃だって。機械は嘘つかないよ」

鞠莉「か、仮に熱があったとしても、すぐ下がるから大丈夫だよ!全然辛くないし、2回目は0.1℃下がったわけだし」

曜「鞠莉ちゃん?」

鞠莉「うっ」

曜「誤魔化すのは良くないよ。自分でもわかってるんでしょ」

鞠莉「ううっ」

曜「さ、早く横になって」

12: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 08:45:46.02 ID:EHYp2QDr
鞠莉「そんなぁ…せっかくの楽しい週末お泊まりが、自分へのご褒美が…」

曜「あんまり言うと、未練が大きくなるよ」

鞠莉「ごほうびー…」

曜「気持ちはわかるけど、我慢して」

鞠莉「ご褒美ちょうだい…」ウルウル

曜(かわいい)

曜「…って、ダメダメ。無理して悪化しちゃったらどうするのさ」

13: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 08:48:26.69 ID:EHYp2QDr
曜「大事な時期なんだから。体調崩しちゃったら元も子もないよ」

曜「まずはゆっくり休んで、良くなってもらわないと。ね?」

鞠莉「うー…」

曜「はい、風邪薬だよ」

鞠莉「…薬飲んだら、もう動いてもいい?」

曜「だめ」

鞠莉「これ、絶対に休めない人へって書いてあるから」

曜「キャッチコピーを盾にしないの」

14: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 08:56:17.87 ID:EHYp2QDr
鞠莉「待ちに待ったお泊まり会なんだよ?それこそ休んでる場合じゃ…」

曜「鞠莉ちゃん」

鞠莉「う…」

曜「こんな事言いたくないけどさ。私だって楽しみにしてたんだよ?」

曜「毎日忙しい鞠莉ちゃんだから、せめて私といる時くらい、大変な事とか全部忘れて楽しませてあげたいって。そう思ってるんだよ」

鞠莉「…ごめん」

曜「責めてるわけじゃなくて…それだけ鞠莉ちゃんが大切ってことだよ」

曜「立場が逆だったら、鞠莉ちゃんもそうするでしょ?」

鞠莉「ん…」

曜「わかってくれるよね。横になってて、飲み物持ってくるから」パタン

鞠莉「あ…」

15: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 09:00:40.42 ID:EHYp2QDr
鞠莉(行っちゃった…がっかりさせちゃったかな)

鞠莉(ショッピングしたり、おしゃべりしたり、美味しいご飯を食べたり。2人で色々したいって思ってたのに)

鞠莉(週末をフイにした挙句、曜に看病までさせて、迷惑かけることになるなんて…)

鞠莉「あーもう、嫌になる…」ポスッ

鞠莉(…あ、曜のにおいだ)キュン

曜『ちょっとごめんね』ギュ

鞠莉(さっき、抱きしめ返してくれたっけ。ベッドに入ってると、曜に優しくハグされてるみたいで…)

鞠莉(すごく、おちつく…)ウトウト

16: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 09:02:37.17 ID:EHYp2QDr
カチャ

曜「鞠莉ちゃーん。あっ」

鞠莉「すー…すー…」

曜「ふふ、やっぱり疲れてたんだね」

曜「いつもお疲れ様」ナデナデ

鞠莉「んぅ…」

曜「ん、ちょっと熱くなってる。こりゃ熱が上がりそうだなぁ」

曜「今のうちに色々用意しとかないと」

17: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 09:06:55.88 ID:EHYp2QDr
…………………

曜「よし、こんな所かな」

曜「スポーツドリンクはストックがあったし、加湿器もオーケー。お湯を沸かして、冷えピタと氷枕も用意した」

曜「後は鞠莉ちゃんの体力次第か…心配だなぁ…」



曜「鞠莉ちゃん、入るよ」カチャ

鞠莉「ん…うぅ…っ…!」ガタガタ

曜「!」

鞠莉「寒い、さむいよぉ…」ガタガタ

18: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 09:08:34.29 ID:EHYp2QDr
曜「ごめんね、準備してて気づかなくて…待ってて。電気あんか出すから」

ぎゅっ

曜「!」

鞠莉「やだ、行かないで…」

鞠莉「一緒にいて…」ハァハァ

曜(すっかり弱っちゃって…)

曜「わかったよ。手を握ってるからね」ギュ

曜(…手が熱い。おそらく、この後ぐんと熱が上がる)

鞠莉「よう…」

曜「大丈夫、大丈夫だから」

19: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 09:26:07.05 ID:EHYp2QDr
…………………

鞠莉「はぁ…はぁっ…」

曜(症状がさっきと一転…暑がって、顔が真っ赤になっちゃってる)

曜(辛そうにして、可哀想に…)フキフキ

鞠莉「あつい、あついよ…あんか、取って…」

曜「もう取り出してあるよ。ごめん、お熱測るね」スポッ

鞠莉「はぁ…はぁ…」ピピッ

曜(…かなり上がってる。場合によっては受診も考えないと)

21: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 09:38:06.46 ID:EHYp2QDr
曜「冷えピタ貼るね。ちょっとヒンヤリするよ」ピタ

鞠莉「んぅ…」

曜「スポーツドリンク、飲めそう?」

鞠莉「うー…」

曜「体、起こすね。よっと…はい、ストロー」

鞠莉「ん…んんっ…」ゴクリ

曜(汗がすごい。タオルと着替えも必要だったね)

鞠莉「ふ、ぅ…」フラフラ

曜「氷枕とタオル持ってくるから、待ってて」

22: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 09:54:08.82 ID:EHYp2QDr
…………………
鞠莉「んぅ…」モゾモゾ

鞠莉「んん、寝てた…」

鞠莉(暗くなってる…結構寝ちゃったみたいだけど、体の火照りは楽になった…)

鞠莉「曜は…?」

曜「すー…すー…」

鞠莉「!」

鞠莉(タオルを持ったまま寝てる…ずっと付き添ってくれてたんだね)ナデナデ

曜「えへへ…んぅ…?」

鞠莉(あ、起こしちゃった…)

23: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 09:56:14.05 ID:EHYp2QDr
曜「んーっ…ごめん、寝ちゃってたぁ…」

鞠莉「ごめんね。曜も疲れてるのに、迷惑ばかりかけて…」

曜「心配はしてるけど、迷惑はしてないってね。具合はどう?」

鞠莉「少しぽーっとするけど、だいぶ良い」

曜「よし、お熱はどうかな」スポッ

鞠莉「んっ」ピピッ

曜「お、少し下がってる!よかった、安心したよー」

鞠莉「ありがとう、曜のおかげね」

24: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 10:02:33.99 ID:EHYp2QDr
曜「お腹はすいてない?」

鞠莉「おなか減った…」

曜「おかゆなら食べられそう?」

鞠莉「食べれると、思う」

曜「オーソドックスなやつの他に、中華風とかにもできるけど、どんなのがいい?」

鞠莉「ジャパニーズ・スタイルのもので、シンプルなのがいい…」

曜「ん。作ってくるから、待っててね」カチャ



曜(…さてさて、今日一番の大仕事ですな)

25: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 10:06:23.81 ID:EHYp2QDr
…………………
曜「お待たせしましたー」

鞠莉「わぁ…!」

曜「こちら、曜ちゃん特製の塩がゆです。梅干しとお漬物はお好みでどうぞ…へへ、なんてね」

鞠莉「美味しそう、輝いて見える。素敵だわ」

曜「味も素敵だと良いんだけど、どうかな…さ、召し上がれ」

鞠莉「いただきます」

曜「…」ドキドキ

鞠莉「ん、美味しい…!」

曜「ほんと?味薄くない?」

鞠莉「とっても美味しい。凄くあったまる」

曜「よかったぁ!」

26: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 10:09:47.14 ID:EHYp2QDr
鞠莉「…今日は、何から何まで、本当にごめんなさい」

曜「もう。今日の鞠莉ちゃん、謝ってばかりだよ」

曜「次のチャンスが絶対来るって。待てば海路の日和あり、でしょ」

鞠莉「そう、だね」

曜「だったら、まずは風邪をしっかり治しておかないと。中途半端に長引いちゃったら大変だよ」

鞠莉「うん」

曜「ふふ。元気になったら、色んなところに遊びに行こうね!」ニコッ

鞠莉(曜の笑顔、なんだか久しぶりに見た気がする)ニコ

曜「実は、一緒に行きたい所があるんだ。新しく出来た雑貨屋さんなんだけど、凄く可愛くってね――」



鞠莉(ありがとう、曜――)

27: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 10:11:55.46 ID:EHYp2QDr
…………………
鞠莉「ん、う…」モゾ

鞠莉「ん、あれ…ここ、私の部屋…?」

鞠莉「なんだ…夢、かぁ…」フラフラ

鞠莉(曜、いない…からだがあつい…)ポー



ガチャ

28: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 10:14:35.74 ID:EHYp2QDr
曜「あ、起きた?」

鞠莉「曜…」グッ

曜「ああ、そのままでいいから。どう、具合は」

鞠莉「大丈夫、心配ない…」

曜「はいはい、結構しんどいって顔に書いてあるよ。今日は養生すること」

鞠莉「でも、出かける予定潰しちゃうの嫌だ…」

曜「鞠莉ちゃんが病気の方が嫌だよ。それに、もうすぐクリスマスや年末年始でイベント続きなんだからさ」

曜「今のうちにゆっくり直さないと。ね?」ナデナデ

鞠莉「はぁい…」

曜「よし、いい子。今、飲み物持ってくるね」

ガチャ トテトテ…

鞠莉(…熱でぼんやりしてるけど、これは夢じゃないよね)ツネリ

鞠莉「いたい…よかった、現実だ」

29: 名無しで叶える物語(庭) 2017/12/03(日) 10:19:11.37 ID:EHYp2QDr
鞠莉「…ふぅっ。落ち着いた」

曜「鞠莉ちゃん、病弱いからね。辛かったでしょ」

鞠莉「ちょっと、ね」

曜「素直でよろしい。さてさて、お薬飲むにしても何か食べないとだね。おかゆでいい?」

鞠莉「うん、味は…」

曜「ジャパニーズ・スタイルのシンプルなやつ、でしょ。すぐ作っちゃうから、少し待ってて」

パタン トテトテ

鞠莉(風邪なのは夢じゃなかった、か…)ポスッ

鞠莉(クリスマス前だし、プレゼントに良さそうな物を見つけに行こうと思ってたのに…)

鞠莉「あー、不覚…」



終わり

30: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/03(日) 10:19:56.74 ID:N6BVYbw1

ようまりイイ…