1: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2017/10/12(木) 05:59:40.03 ID:dLA/U3Bd
ようまりです。

2: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:00:57.14 ID:ZPxXjZi5
こういうの、なんて言うのかな。
全く思いがけないっていうか、夢にも思わなかったっていうか…

ひょんなことからってやつ?

「かなちゃん、ダイちゃん、どこー…あれ?」

気がつくと、目の前に…

「お姉さん、だれ?」

めっちゃちっちゃな鞠莉ちゃんがいた。

3: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:01:43.94 ID:ZPxXjZi5
鞠莉「んー?」

きょとんとした表情で私を見つめる女の子。

言葉で説明するのは難しいんだけど、見た瞬間に「この女の子は鞠莉ちゃんだ」ってわかった。

輪っかになってないけど、特徴的な結い方をした金色の髪。

鞠莉「お姉さん、どうかしたの?」

吸い込まれそうな瞳と、透き通った声。

やっぱり間違いない。
この子は、鞠莉ちゃんだ…!

4: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:03:53.83 ID:ZPxXjZi5
曜(でも、どうしてこんなことに…)

鞠莉「あの、おねーさん。だいじょうぶですか?」

曜「えっ?」ハッ

鞠莉「もしかして、お腹いたいのかなって…」

曜「あ、ああ!大丈夫、元気一杯だよ!?あははははは!!」

鞠莉「ふーん…?」

曜(やばい、めちゃくちゃかわいい)

曜(鞠莉ちゃんだから当然と言えば当然なんだけど、それにしたって可愛さが突き抜けてるよ…!)

鞠莉「んー?」クビカシゲ

曜(ああ、ぎゅってしたいな…)ソワソワ

5: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:05:19.41 ID:ZPxXjZi5
曜『ちっちゃい鞠莉ちゃんかわいいいいい!!』ムギュウウウウウ

鞠莉『うひゃぁぁぁぁぁぁっ!!』

曜『かわいい、かわいいかわいいかわいいよおおおおお!!』ナデナデスリスリ

鞠莉『きゃああああああああっ!!』ウワーン



曜(…だめだ、犯罪的な光景になってしまう)ブンブン

曜(っていうかさ…今更だけど、私って今とんでもない状況に陥っているんじゃないかな…)ウーン


鞠莉(また静かになっちゃった。やっぱり具合悪いのかなぁ)

鞠莉(こういうとき、まずは挨拶からだよね…よしっ)

6: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:05:59.05 ID:ZPxXjZi5
鞠莉「あの、はじめましてっ」

曜「え?あ、はじめまして…かな」

鞠莉「わたし、マリーっていうの」

曜「! そ、そっか。鞠莉ちゃんっていうんだね」

曜(やっぱりそうなんだ!ってことは、この世界は…)

鞠莉「それで、あの、お姉さんは…?」オズオズ

曜「あ…私は、渡辺曜!曜ちゃんって呼んでね!」

鞠莉「曜ちゃん…年上の人に、ちゃんをつけるのはダメだよっ」

曜(おお、しっかりしてる)

鞠莉「それに、お姉さん知らない人だし…」

曜(あ、そりゃそうだよね…)

7: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:07:40.98 ID:ZPxXjZi5
鞠莉「お姉さんは、ここでなにしてるの?」

曜(…うん、難しい質問だね)

曜(状況から推測すると、ここはおそらく過去の世界なんだろうと思う…)

曜(いわゆる、タイムスリップってやつなのかな?何がどうなったのか、私が知りたいよ…)

曜「…鞠莉ちゃんこそ、どうしてここに?」

鞠莉「友達と遊んでいて、それで、えっと…」

曜「…はぐれちゃった?」

鞠莉「…ううっ」ジワッ

曜「あ、ああ!ごめんね、思い出させちゃったね!!」アセアセ

鞠莉「うっ、うう~」ポロッ…

曜(いけない、こういう時は…!)


ハグッ

8: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:09:21.15 ID:ZPxXjZi5
鞠莉「あ…」

曜「大丈夫、大丈夫だから…ね?」

鞠莉「…うん」ギュ

曜「よしよし…落ち着くまで、こうしてるから」

鞠莉「うん…」ギュー

曜(…図らずもハグしちゃったな。非常事態だから、仕方ないよね?泣き止んでくれそうだし…)ナデナデ

9: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:11:07.79 ID:ZPxXjZi5
鞠莉「お姉さん…あったかい」ギュ

曜「へへ、鞠莉ちゃんもあったかいよ。優しい子だもんね」

鞠莉「お姉さん、わかるの?」

曜「わかるわかる。きっと将来は美人さんで、かっこいい女の子になるよ!」

鞠莉「かっこいい…お、お姉さんみたいな…?」ウルッ

曜「!?」ドキッ

曜(いやいやいや、ドキッとしてどうする私。いくら鞠莉ちゃんとはいえ…)



??「……」ジー

??「……」ギュッ

10: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:11:49.62 ID:ZPxXjZi5
鞠莉「ありがとう、お姉さん!」

曜「どういたしまして。もう大丈夫?」

鞠莉「うんっ!ふふ、やっぱりハグってすごいなぁ」ニコニコ

曜(お、「やっぱり」ってことは、もうこの頃からハグしてるんだね)

曜(相手は果南ちゃんと、ダイヤさんだよね、きっと)ニコ



??「…いくよ」

??「…は、はいっ」

11: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:12:57.30 ID:ZPxXjZi5
ガサガサガサ


曜「!」バッ

鞠莉「わっ」

曜「あそこで何か動いた…鞠莉ちゃんは私の後ろにいて」

鞠莉「う、うんっ!」ギュ

ガサガサ

鞠莉「ひゃっ!」ビクッ

曜(まただ。風のせいじゃない。何かいる…!)

12: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:14:12.57 ID:ZPxXjZi5
ガサガサガサ

鞠莉「お、おねえさん…」ギュ

曜「大丈夫だよ。このまま静かに下がろう」

鞠莉「う、うんっ」

ガサガサ

曜(犬や動物にしては、揺れ方が不自然だ。鳴き声も無いし…)ジリ

鞠莉「…っ」ジリ

ガサガサ…

曜(よし…うまく距離を取れた。これなら――)



??「…うおーーー!!」

13: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:15:29.19 ID:ZPxXjZi5
曜「――なっ!?」

曜(後ろから…!?しまっ…)

ガシッ

曜「うっ!?」

グイッ

曜「あだ、あだだだだぁ!!」

??「この、このおっ!」グギギギギ

鞠莉「…あっ!」パァァ

曜(な、なんなの!?小さい女の子がいきなり…ってこの子…!)

グイッ

曜「へっ?」

??「――っ」ギュ

曜(女の子がもう一人!?そうか、さっきの物音はこの子が…)

14: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:16:48.90 ID:ZPxXjZi5
ググググ

曜「…って、わああああ!?」

??「まりからはなれろー!」ウオー

??「ゆ、ゆーかいですわー!」ピギャー

曜「いだだだだ!ご、誤解だよ、誤解!」

??「はなれろ、はなれろっ!」グイー

??「う、うーっ!」ギュー

曜「は、離れたくても、この子が足を抑えてるから離れらないんだよ!」

鞠莉「くすくす」

曜「わ、笑ってないで、説明してあげてよー!」

15: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:17:32.39 ID:ZPxXjZi5
曜「や、やっと解放された…」ボロッ

??「むーっ」

??「…ぅぅ」

鞠莉「えっと…」

曜「ま、鞠莉ちゃんのお友達なんだよね?」

鞠莉「うん…」

??「話しちゃダメだよ、まり!」

??「へんなこと、されませんでした…?」

ああ、なんか完全に誤解されてる。
二人とも私を不審者か何かを見るような目をしてる…

16: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:20:06.89 ID:ZPxXjZi5
??「むーっ!」

鞠莉ちゃんと、もう1人の子を背中にかばいながら、こちらを威嚇する女の子。

この子はわかる。何と言っても幼馴染だからね。
小さい頃の果南ちゃん、そのままだ。

曜「とすると、もう一人の子は…」

??「…っ」グッ

幼いからか、雰囲気は全然違うけど。
口元のホクロといい、さっきの「ぴぎゃ」といい、この子はダイヤさんに間違いなさそうだね。

おそらく、鞠莉ちゃんが知らない人に何かされてると思って、撃退しようとしたんだろうけど。

さてさて…どうしたものかなぁ…

17: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:21:12.07 ID:ZPxXjZi5
曜「だから誤解だって!私は鞠莉ちゃんを守ろうとしただけで…」

果南「嘘だよ!見てたけどお姉さん怪しかったもん!」

ダイヤ「まりちゃんを抱きしめて、怖がらせてましたっ!」

曜「それは、2人がガサガサやってたからで…鞠莉ちゃんだって――」

果南「まりのこと、まりちゃんって呼ばないで!」ウガー

ダイヤ「で、ですわっ」ピギャー

曜「ああもう、めちゃくちゃ警戒されてる。一体どうすれば…」

18: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:22:17.13 ID:ZPxXjZi5
…………………

果南「お姉さんやるねー」ハグッ

曜「あはは、そうでしょー。でも果南ちゃんも凄かったよー」ナデナデ

果南「ふふっ」ギュー

曜(ふぅ、わかってもらえたみたいでよかった…)



鞠莉『お姉さんはいい人だよ、私をよしよししてくれたもんっ』

ダイヤ『ほら、まりちゃんもこう言ってますし…』

果南『まりちゃんは騙されてるんだよ!私は信じないから!』

曜『じゃあ、どうすれば信じてくれるの?』

果南『私と…勝負だよ!』

曜『えっ?』

果南『私と勝負して、勝てたら信じてあげるよ!』

19: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:23:20.84 ID:ZPxXjZi5
曜(そんなこんなで、潔白を証明するために対決することになって…)

曜(追いかけっこ、隠れんぼ、コインの裏表当て…真剣勝負をしてるうちに、果南ちゃんも心を開いてくれた)

果南「次は負けないからねー」ギュ

曜(こういうところ、果南ちゃんらしいね)クス

ダイヤ「ぴぎゃ…」モジモジ

鞠莉「う…」モジモジ

曜(おっ)

曜「ほら、ダイヤちゃんも鞠莉ちゃんもおいでよ」

ダイまり「…!」パァァ

ダイまり「えいっ」ハグッ

曜「おおっ」

曜(ふふ、急にモテモテだ)ナデナデ

20: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:24:13.24 ID:ZPxXjZi5
曜「3人はとっても仲良しなんだね!」

果南「うん!」

鞠莉「うんっ」

ダイヤ「えへへ…」

曜(こうして見ると、鞠莉ちゃんとダイヤさん、子どもの頃はおとなしめだったんだね)

曜(ふふ、いつから「シャイニー!」とか「ぶっぶーですわ!」って言うようになるのかな)クスクス

鞠莉「おねーさん?」

ダイヤ「どうかしたんですの?」

曜「ううん、なんでも」ニシシ

21: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:25:17.48 ID:ZPxXjZi5
曜「それにしても…」チラ

曜(随分と陽が落ちてきた。果南ちゃんとの対決も長かったしね。となると――)

果南「あ!もう帰る時間だ!」

鞠莉「あっ、本当だ」

ダイヤ「今日はここでお別れだね…」

曜「そうだね。まだ暗くはないけど、みんな1人で帰れる?」

かなダイまり「うんっ」

曜「おっ、良い返事だ!気をつけて帰るんだよー」

かなダイまり「はーい」ハグッ

曜「おっ!ハグッ!」ギュ

かなダイまり「えへへ、ばいばーい」フリフリ

曜「またねー」フリフリ

曜(…またね、か)

曜「…」

22: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:26:16.22 ID:ZPxXjZi5
曜(鞠莉ちゃんと出会ったところに戻ってきたけど…手がかりも何もないや)

曜(…海に太陽が沈んでいく。鞠莉ちゃんと初めてぶっちゃけトークしたときも、こんな感じだったっけな…)


鞠莉『何一人で勝手に決めつけてるんですか?』

鞠莉『うりゃ、うりゃ、うりゃ、うりゃ、うりゃ!』

鞠莉『二年間も無駄にしてしまった私が言うんだから、間違いありませんっ』


曜(鞠莉ちゃん…私、これからどうなっちゃうのかな…)


鞠莉「あ、あの…」

23: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:27:09.47 ID:ZPxXjZi5
曜「ん…って、鞠莉ちゃん!?」

鞠莉「えへへ…」

曜(なんで、ここに…)

鞠莉「あの、よかったら私のうちにきてくれませんか?」

曜「えっ?」

鞠莉「私、お姉さんともっと一緒にいたいなって…」

曜「…ありがとっ、嬉しいよ!だけど、知らない人を家に呼んじゃいけないよ?おうちの人も困っちゃうだろうし」ナデナデ

鞠莉「だいじょうぶ、なんとかしますっ。それに私のうちたくさんお部屋あるからっ」

曜(確かに。ホテルだもんね)

鞠莉「それに…おねえさんは特別なお客様だから」

曜「特別?どうして?」

鞠莉「なんとなく…でも、そんな気がするの。だから…」

24: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:29:46.50 ID:ZPxXjZi5
鞠莉「だからお願い…」ウルッ

曜(う、そんな目をされると気持ちが揺らぐ…)

曜「確かに、お財布も電話もないから、泊めてもらえるとありがたいけど…でも、どうするの?」

鞠莉「まかせてっ」


…………………


曜「私は夏休みを使ってあちこちを旅している高校生です。偶然立ち寄ったこの淡島で、大きな野良犬に襲われていた鞠莉ちゃんたちを見つけまして」

曜「必死になって、なんとか犬を追い払ったのですが、その時にバッグをどこかにやってしまったみたいで…着替えや財布を入れていたので、船にも乗れず困っていまして…」

曜(…ということになってる。らしい)

「お嬢様からご事情を伺いました。危ないところを助けていただき、感謝の言葉もございません」

「お礼と言うには僭越なのですが、お部屋をご用意いたしますので、ぜひご利用ください。きっとお嬢様もお喜びになります」

鞠莉「♪」ニコニコ

25: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:30:27.30 ID:ZPxXjZi5
曜(事前に果南ちゃんとダイヤさんにも示し合わせてたのか、2人の家からもお礼の連絡があったみたい)

「かなちゃんとダイちゃんのご家族も、とても感謝されていました。くれぐれもよろしくと…本当に、ありがとうございます」

曜「いえ、そんな…」

鞠莉「♪」ギュー

曜(まだ小さいのに、この手際の良さと大胆さ…)



曜「鞠莉ちゃんって、すごいね…」

鞠莉「えへへっ♪」ニコニコ

26: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:31:46.20 ID:ZPxXjZi5
曜(それから、小さい鞠莉ちゃんと一緒の時間を過ごした)

曜(ホテルのディナーをご馳走になって。敷地の中を散歩しながら、友達のこと、学校のこと、家族のこと…色んなことを話した)

曜(私は本当のことは言えないから、誤魔化したり、作り話を交えたりもしたけど…小さい鞠莉ちゃんは素直で可愛くって、とっても楽しかった)

曜「2人のこと、かなちゃん、ダイちゃんって呼んでるんだね」

鞠莉「うん。私が『まり』だから、一緒が良いなって」

曜「かなちゃん、ダイちゃん、まりちゃん、か。ふふ、2人のこと、大好きなんだ?」

鞠莉「うんっ。転校してきてからずっと一緒なの。いつもみんなで遊んで、みんなでハグするの」エヘヘ

曜(小さい頃から仲良しだった3人が、2年間もすれ違っちゃうんだもん。辛かったよね…)

曜「よかったね、仲良しになれて」ナデナデ

鞠莉「うんっ!」

27: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:33:32.11 ID:ZPxXjZi5
…………………

曜「改めて思うけど、すごく豪華だなぁこの部屋。広いし、ベッドもふかふかだし、お風呂もとってもゴージャスだった」

曜「空いてる部屋で申し訳ないって言ってたけど、いやいや…まさかスイートルームに案内されちゃうとは」

曜「本当の事を言えない後ろめたさもあるし、色々落ち着かないなぁ…」ソワソワ

曜「ま、とりあえず、ベッドに寝てみようかな…」ポスッ

曜(あ…横になると急につかれが…)

鞠莉『おねえさんっ!』

曜「ふふ…小さい鞠莉ちゃん、ほんとうに可愛いな」クスクス

曜「…私はこれからどうすればいいんだろう。どうなっちゃうのかなぁ」

曜「パパ、ママ、千歌ちゃん、梨子ちゃん…」

曜「鞠莉ちゃん…」グスッ

コンコン

28: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:34:42.73 ID:ZPxXjZi5
曜「!」グシグシ

曜「は、はーい」

「わたし、マリーだよ」

曜「! 今、開けるね」ガチャ

鞠莉「こんばんは、おねえさんっ。あれ、目、どうかしたの?」

曜「っ、なんでもないよ。痒かったから、ついゴシゴシしちゃって」

鞠莉「わっ、ダメだよ。痛くなっちゃうよ」メッ!

曜「へへ、はーいっ」

鞠莉「もー…お邪魔しても、いい?」

曜「もっちろん!実は1人で寂しかったんだ。さ、どうぞー」

29: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:35:55.80 ID:ZPxXjZi5
鞠莉「ところで、お姉さん本当はどこから来たの?」

曜「えっ?えっと、その…」

鞠莉「…」ジッ

曜(う、核心を突かれた…でも、未来からやって来た、なんて言っても変に思われちゃうだけだよね)

曜「うーん…すごく近くて、とっても遠い所から、かな」

鞠莉「んー、なぞなぞ?」

曜「あははっ、ごめんごめん。そう聞こえちゃうよね」

曜「…実は、わからないんだ。なんでここに来たのかも、どうすれば帰れるのかも」

鞠莉「迷子になっちゃったの?」

曜「そう、だね。私、迷子なのかもしれない…」ウルッ

30: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:36:37.79 ID:ZPxXjZi5
鞠莉「そっか…じゃあ」ハグッ

曜「!」

鞠莉「へへ、さっきのお返しだよ」ギュ

鞠莉「かなちゃんに教わったの。悲しい時も、ハグすれば大丈夫だって」

鞠莉「ハグってすごいんだよ。嬉しいことはもっと嬉しくなるし、悲しいことがあっても元気になれるんだ」

曜「まり、ちゃん…」

鞠莉「お姉さん、辛そうな顔してるから…元気出して、ね?」ナデナデ

曜「…うんっ、ありがとう、鞠莉ちゃん」ギュ

鞠莉「えへへ、なんだか私がお姉さんみたいだね」

曜(そうだよ。鞠莉ちゃんは、私の大好きなお姉ちゃんなんだ…)

31: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:37:23.33 ID:ZPxXjZi5
…………………

鞠莉「それでね、あのね…」ウトウト

曜「眠そうだね、ってもうこんな時間じゃん!良い子は寝る時間だよ」

鞠莉「うー、もっとお話ししたい…」

曜「寝ないと疲れがとれなくて、明日遊べなくなっちゃうよ。いいの?」

鞠莉「やだー…」

曜「だよね。なら、もうお部屋に戻って――」

鞠莉「一緒に寝る…」ウツラウツラ

曜「えっ?」

32: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:38:04.95 ID:ZPxXjZi5
…………………

鞠莉「ありがとう…むりいってごめんなさい…」ウトウト

曜「ふふ、鞠莉ちゃんは甘えんぼさんだねー」

鞠莉「うん、まりー甘えんぼなの…」

曜(ふふ、可愛いなあ)ニコ

鞠莉「はぐ…」スッ

曜「うん、はぐっ」ギュ

鞠莉「お姉さん、あったかい…」

曜「ふふ、鞠莉ちゃんもだよ」

曜(あ、凄く心地いい…)トロン

鞠莉「とってもたのしかった…」

曜「うん、わたしも…」

鞠莉「えへへ…また、ね…」スゥ…スゥ…

曜「うん、またね…」

鞠莉「スー…スー…」

曜(かわいいねがお…おやすみ…)zzz

33: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:44:35.48 ID:ZPxXjZi5
…………………

眼が覚めると、一緒に眠ったはずの鞠莉ちゃんの姿は無かった。

鞠莉ちゃんだけじゃない。そこは見慣れた自分の部屋で。

不釣り合いなほど豪華なスイートルームも、ふかふかなベッドも…
あの世界の痕跡は、もうどこにも見つからなかった。

曜「夢、か…」

帰ってきた。そうだ、帰ってきてしまったんだ。

日常に戻れたことにホッとする気持ちよりも、喪失感と戸惑いの方が多かった。

曜「っ、鞠莉ちゃん…!」

腕に残っていた、鞠莉ちゃんの温もりが消えていく…

あの小さくって可愛らしい、天使みたいな笑顔には、もう二度と会うことはできない。

ぼんやりした頭に現実が押し寄せてきて、夢の世界の名残を容赦なく奪い去っていく。



曜「ふふ…またねって、言ったのにな…」グスッ

曜「まりちゃ、ん…」ポロ…


ガチャ

34: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:48:53.65 ID:ZPxXjZi5
鞠莉「あら。おはよう、曜」

曜「あ、鞠莉ちゃん…」グスッ

鞠莉「よく寝てたね。朝ごはん出来てるよ…って、もしかして泣いてるの?」

曜「…ううん、ちょっと痒かったからゴシゴシやっちゃって」

鞠莉「そう。ほどほどにしないとダメよ、キュートなおめめが台無しになっちゃうからね?」クス

曜「ふふっ…いつもの鞠莉ちゃんだ」

鞠莉「ん、いつもの?」キョトン

曜「ううん、なんでもない。あ、もうこんな時間だったんだ。ごめんね、すぐ起きるよ」

鞠莉「ん、待ってるねー」


曜(…夢、か)

35: 名無しで叶える物語(庭) 2017/10/12(木) 06:51:09.92 ID:ZPxXjZi5
曜「ごめんね、当番じゃないのに朝ごはん作らせちゃって」

鞠莉「なんだか幸せそうな寝顔だったから。起こすのもかわいそうだなーって。ね、どんな夢見てたの?」

曜「え?えっと…」

鞠莉「あ!待って、言わないで。このマリーがズバリ言い当ててみせましょう!」

曜「いいけど、人の夢って案外難しいと思うけどなぁ。ヒントいる?」

鞠莉「いーえ、自力で当ててみせるわ」

曜「ふふ、そりゃすごいや。当てられたら、冷蔵庫のアイスひとつ食べていいよー?」

鞠莉「ますます外せなくなったわね。うーん、そうだなぁ…」



鞠莉「――すごーく近くて、とっても遠い世界の夢、かな?」


終わり

37: 名無しで叶える物語(霧の向こうに繋がる世界) 2017/10/12(木) 06:55:10.92 ID:kP/0flRi
メイ*^ ᴗ ^リ 

38: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/10/12(木) 06:59:50.14 ID:/Q8aKGOW
良きかなようまり

41: 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2017/10/12(木) 07:27:40.42 ID:MMnBtg6o
あぁ素敵