1: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 22:36:47.63 ID:enFz2xaq
絵里「もう少し肩の力抜いてもいいのよ?」

海未「私としては肩肘を張っているつもりは無いのですが…」

絵里「そうは見えないけど…」

海未「…」

海未「そろそろ練習再開しましょうか」

絵里「…そうね」

2: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 22:37:25.67 ID:enFz2xaq
絵里(μ’sの練習だけじゃなくて、作詞に振り付け、弓道部の練習に道場の稽古…)

絵里(それに、練習の指揮を取って…本当大変よね…)

絵里(後は…穂乃果のお世話かしら?)

絵里(ふふっ…これはちょっと違うかもしれないけど♪)

絵里(でも…穂乃果の前だと、真面目な海未ちゃんじゃないといられないのよね、きっと)

3: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 22:38:06.39 ID:enFz2xaq
絵里(きっと、そうする事が海未にとっては普通の事なのよね)

絵里(道場の跡取り娘としての海未と、穂乃果の幼馴染としての海未…か)

絵里(あんまり考えすぎない方がいいと思うのだけど、そういうものだと受け入れちゃってるのね)

絵里(海未は真面目で一途だから、一度決めたらやらないと気が済まないのだと思うけど…)

絵里(でも、なんだかちょっと前の私を見ているみたい)

絵里(確かに、おばあ様のいたこの学校を廃校にしたくないって思っていたのは事実よ)

絵里(ただ…私は生徒会長としてオトノキを守れるかしか考えていなかったから…結果はあの通りだったわ)

絵里(本当に大切な事は、学校を廃校から守りたいって気持ちをぶつけるって事だったのよ…最後まで気が付かなかったけど)

絵里(与えられた役割とか立場とか、そんなものは全部無視して…結果論かもしれないけどね)

4: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 22:38:42.35 ID:enFz2xaq
絵里(まあ、たまにはめんどくさい事を考えないで力を抜いて欲しいなって思ったりする訳なんだけど…)

絵里(真面目な海未ちゃんはそんな事してくれなさそうだし…困ったものね)

絵里(ずっと真面目でクールな生徒会長でいるのも大変だったし…海未にも気が抜けるような時間があればいいのかしら…?)

絵里(今週末は練習お休みだし、海未の好きな事させてあげたいわね)

絵里(そうと決まれば…)

海未「絵里?練習を…」

絵里「ごめんね、ちょっと考え事をしてたの」

海未「そうですか?」

絵里「ふふっ、ちょっとね」

海未「…?」

5: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 22:39:30.02 ID:enFz2xaq
――練習後――

絵里「海未、週末は何か予定あるの?」

海未「週末ですか?弓道部の練習も休みで他に用事もないので、家で稽古する予定ですね」

海未「後は、月曜日にテストがあるのでその勉強を…穂乃果の様子も見に行かないといけませんね、小テストとはいえ赤点を取ってはいけませんし…」

海未「前回のテストの点数が相当悪かったので、また活動に支障が…」

絵里「な…なるほどね…」

絵里(本当に真面目というかなんというか…そこが海未のいいところなんだけど♪)

海未「あの…何か?」

6: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 22:40:19.28 ID:enFz2xaq
絵里「聞き方が悪かったわね、海未が週末にやりたい事って何かしら?」

海未「やりたい事ですか…?」

絵里「折角のお休みなんだから、やりたい事の一つぐらいあるでしょ?」

海未「そうですね…いきなり何をしたいかと言われましても困ります…」

海未「それにやりたい事を優先して、μ’sの活動に支障が出てしまってはいけませんし…」

絵里「…分かったわ、なら今週末は私の為に予定を開けておいてね♪」

海未「絵里の為にですか?勉強も大切だと…」

7: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 22:41:29.22 ID:enFz2xaq
絵里「それとも、せっかくのお休みは大好きな穂乃果ちゃんの為にとっておいたのかしら?」

海未「なっ…///」

絵里「あら?図星だったの?」

海未「そ…そんな事は…その…///」

絵里(顔赤くしちゃってかーわいい♪本当に純粋で真面目なんだから、こんな子中々いないわよね)

絵里(だからちょーっとだけからかいたくなるんだけど♪)

絵里「さすがの私も穂乃果には敵わないって事ね……寂しいわ…」

海未「え…絵里!!」

絵里「どうしたの?」

海未「わ…私の事からかってませんか?」

8: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 22:42:36.52 ID:enFz2xaq
絵里「あ、分かっちゃった?」

絵里(ちょっとやりすぎちゃったかしら?)

海未「絵里はいつもそうやって…」ムスッ

絵里(海未はしっかりしてて大人っぽいんだけど、うぶで子供っぽいところもあって、つい…ね♪)

絵里(でも、これ以上はかわいそうだし勘弁してあげるわ)

絵里「うふふ、冗談よ」

海未「し…知りません!!」

絵里「ほら、そんなに怒らないの」

海未「はぁ…本当にいつもいつも…」

11: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 22:44:00.75 ID:enFz2xaq
穂乃果「あ、海未ちゃん今週末用事ある?一緒にお出かけしない?」

絵里「穂乃果、ちょうどいいところに来たわね」

穂乃果「絵里ちゃんも一緒に遊ばない?」

絵里「へえ…随分余裕なのね」

穂乃果「え…絵里ちゃん…?」

絵里「オトノキの顔であるμ’sのリーダーが赤点だらけなんて笑えないと思わない?」

13: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 22:44:36.27 ID:enFz2xaq
穂乃果「うえっ!?何で知ってるの?」

絵里「せめて週明けのテストぐらい良い点とって欲しいんだけど…出来なかったら」

穂乃果「ど…どうなるの…?」

絵里「私、ちょっとリーダーに興味があるのよね」

穂乃果「えっ…?」

絵里「μ’sやオトノキのイメージを悪くするリーダーには卒業して貰うっていうのもいいと思うのよ」

絵里「生徒会長で品行方正な私がリーダーをした方がイメージアップにつながって入学希望者も増えるんじゃないかしら」

穂乃果「う…海未ちゃぁん…」

絵里「あ、海未に頼るのは無しよ。たまには一人で頑張りなさい」

穂乃果「え…絵里ちゃんのばかあああああ!!」

海未「ほ…穂乃果!?」

穂乃果「絶対に満点とるんだからあああああああ!!!」

14: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 22:45:41.39 ID:enFz2xaq
海未「あ…あの…穂乃果が…」

海未「それに、絵里がリーダー…ですか?」

絵里「あら?もしかして私がリーダーをやると都合が悪いのかしら?」

海未「そ…そういうわけでは…その…」

絵里「やっぱり穂乃果がリーダーの方がいいわよね」

海未「ま…また…そうやって…」

絵里「私もその方がいいと思うし、私はリーダーなんて柄じゃないから本気じゃないわよ」

海未「そうですか…?」

絵里「あ、もしかして穂乃果がいないと海未もμ’sをやめちゃう?」

海未「そ…そういうわけでは…その…」

絵里「大丈夫よ、穂乃果はやる時はちゃんとやるからね、海未が一番知ってるでしょ?」

絵里「でも成績が悪くなるのは困るし、ちゃんと手は打っておくつもりだから安心してね」

海未「ならいいのですが…」

17: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 22:48:52.10 ID:enFz2xaq
絵里「それで、穂乃果のお世話をしなくて良くなったわけだけど、今週末はどうするの?」

海未「分かりました…絵里に付き合いますよ」

絵里「ふふっ、それでいいのよ」

絵里「もう一度聞くわね、海未が週末にやりたい事って何?」

海未「私のですか?絵里のやりたい事があれば…」

絵里「私のやりたい事ね…海未とたまーに二人で遊びたいなって思っただけよ」

絵里「だから、海未のしたい事に付き合うわ」

18: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 22:49:36.77 ID:enFz2xaq
海未「な…なるほど…」

海未「そ…それでは…山に行きたいです」

絵里「山?ハイキングとか登山って事かしら?」

海未「はい…」

絵里「ちょうど紅葉の季節だしいいじゃない!私と行きましょう?」

海未「あ…あの…」

絵里「どうしたの?さっきから言いにくそうにしてるみたいだけど」

海未「いえ…山の事になると人を振り回してしまう癖があって……一緒に行くのは…」

絵里「私と一緒に行きたくないの?」

海未「いえ…友人と行けるのはとても嬉しい事なのですが、昔振り回してしまったせいで、穂乃果やことりはもうついてきてくれなくなりました…」

絵里「ふふっ、そうなのね」

海未「あの…何かおかしいですか?」

19: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 22:50:43.91 ID:enFz2xaq
絵里「いや、あなた達…ことりも含めてだけど3人って似てないようで似てるって思ってね」

海未「私達が…ですか?」

絵里「破天荒な穂乃果、生真面目な海未、おっとりしたことりって一見すると似てないように思えるけど」

絵里「好きな事や、やりたい事を見つけたら周りが見えなくなるぐらい一直線に突き進んじゃうってところはそっくりだと思うのよ」

絵里「そんな三人だから、周りが見ても羨ましいと思うぐらい仲が良くなったのかしらね」フフッ

海未「も…もう!なんなんですか…今日は恥ずかしい事ばかり…」

絵里「私は思ってること言ってるだけよ、じゃあ土曜日は…お昼過ぎに買い物に行きましょう?」

20: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 22:51:15.84 ID:enFz2xaq
海未「買い物ですか?」

絵里「私、登山用の靴だったり服とか何も持っていないのよ、だから海未に教えてもらうかなって」

絵里「山には日曜日に行きましょう?あ、初心者でも気軽に登れる山考えておいてね」

海未「…分かりました、それでは土曜日に」

絵里「ええ、じゃあよろしくね」

22: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 22:52:24.18 ID:enFz2xaq
――土曜日――

絵里「ちょっと早く来ちゃったわね、喫茶店で時間を潰してこようかしら…あら?」

海未「おはようございます、絵里」

絵里「随分早いのね、それじゃあ行きましょうか」

海未「はい、ちなみに絵里は何を買う予定ですか?」

絵里「一応調べてきたんだけど、登山って靴と雨具とリュックが三種の神器っていうんでしょ?」

絵里「リュックは大きい物持ってるから、靴と雨具があればいいかなって思っているんだけど、どうかしら?」

海未「その通りです!絵里!!それでは早速買いに行きましょう!!」グイッ

絵里「ちょ…引っ張らないでもちゃんと行くから落ち着いて!」

海未「す…すみません…つい興奮してしまって…」

23: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 22:53:13.50 ID:enFz2xaq
絵里「え…ええ、大丈夫よ。ちょっと驚いただけだから」

海未「はい…」

絵里(いつもは凛々しい表情をしてる海未だけど、こんな無邪気な表情もするのね)

海未「はあ…またやってしまいました…」

絵里(あらら、すっかり落ち込んじゃって。きっと穂乃果達も大変だったのね)フフッ

絵里「ねえ、海未」

絵里「花陽がアイドルやご飯の話をする時の顔、覚えてる?」

海未「花陽が…ですか?そうですね…とても生き生きとしていい表情だったと思います…」

海未「特に食事をしてる時は、見てるこちらも幸せになる様な笑顔で…」

絵里「そうね、花陽って本当に美味しそうに食事するもの」

24: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 22:53:52.63 ID:enFz2xaq
絵里「でもね、今の海未も花陽に負けないぐらい良い表情してたわよ」

絵里「だから、そんなに落ち込まなくてもいいんじゃない?」

海未「なっ…///そ…そうですか…///」

絵里「ほら、早く行くわよ」

海未「は…はい…///」

25: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 22:54:43.26 ID:enFz2xaq
海未「それでは靴から買いましょうか」

絵里「へえ、色々な種類が…この靴5万円もするの!?流石にこれは買えないわ…」

海未「それは雪山や岩山用なので本格的に登山する方向けの靴ですね」

絵里「そ…そう…良かったわ」

海未「初心者用の靴だと、大体一万円ちょっとが目安ですね」

絵里「それならなんとかなるけど…」

26: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 22:59:15.63 ID:enFz2xaq
海未「後、少し言いにくいのですが…」

絵里「ん?」

海未「絵里はおしゃれといいますか、ファッションに敏感な方だと思うので、嫌がるかもしれませんが」

海未「靴に関してはだけはデザイン重視で選ばないようにしていただけると…」

絵里「大丈夫。足に合わないと怪我しちゃうものね。バレエやってたしその点は分かってるつもりよ」

海未「そういう事でしたら、いいのですが…」

絵里「できれば気に入ったデザインの靴がいいけどね。あ、ことり…?」

海未「はい…気に入った靴を探すのに何件もつき合わされて…本当に大変でした…」

絵里「あらら、ことりらしいわね」

絵里「でも、ことりにしたら色々選ぶのが楽しいのよ。だから分かってあげてね」

海未「はい…最近になってようやく慣れてきました…」

27: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 22:59:55.94 ID:enFz2xaq
海未「最近は山ガールというのでしょうか?若い女性も山に行くようになったので、日常で履けるようなデザインの良い靴もあるかと思います」

絵里「そうなのね、そういう靴の方がいいかしら」

絵里「へえ、登山靴でもスニーカーみたいな靴もあるのね。トレッキングブーツっていうぐらいだから意外かも」

海未「ええ、これは自然散策に向いてるような靴なので、あまり登山向きではありませんね」

海未「舗装されていない荒れた道を歩くので足首を保護するためにもミドルカットやハイカットのブーツをお勧めします」

海未「今回はそこまで高い山にも行きませんし、普段使いもできる靴という事でミドルカットの靴を探しましょう」

絵里「分かったわ、それじゃあ…あの靴なんかどう?」

海未「有名なブランドですし、いいと思いますよ。ひとまず試着してみましょう」

絵里「そうね、サイズが合わないと困るし」

28: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:00:40.65 ID:enFz2xaq
海未「あ、その前に靴下ですね。折角なので選びましょうか」

絵里「普通の靴下じゃダメなの?」

海未「はい!靴も大切ですが靴下も同じぐらい大切なんです!」

海未「ケガ防止や疲労軽減、体温調節の役割も果たすので本当に大切なんです!!」

海未「その為、普通の靴下と違ってちょっと厚く作られているので、登山用の靴下を履いてから靴を履かないとサイズが合わないんですよ!」

海未「という事なのですが…///」

絵里「ふふっ、分かったわよ」

海未「初めての登山であればクッション性の高い靴下の方がいいかもしれませんね」

絵里「じゃあ、この靴下にして…この靴下を今履くのはマズいわよね?」

海未「靴を試し履きする時には靴下を貸してくれるので、大丈夫ですよ」

絵里「それならいいけど、じゃあ履いてみるわね」

29: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:01:21.54 ID:enFz2xaq
海未「どうですか?」

絵里「いまのところは大丈夫」

海未「それでは実際に立って歩いてみてください。違和感があれば別のにしましょう」

絵里「分かったわ…いい感じだと思うけど」

海未「問題なければその靴で良いと思いますよ」

絵里「それなら、会計してくるわね」

30: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:02:13.62 ID:enFz2xaq
海未「それでは、次は雨具…レインウェアって言った方が分かりやすいですね」

海未「これは防水性や透湿性の高いものなら好きな物を選んでいいかもしれません」

絵里「なるほどね、それにしても派手な色が多いみたいだけど」

海未「それは、万が一遭難した場合に発見してもらいやすくなるからですね」

絵里「なるほど…気を付けないといけないわね…」

海未「私が付いていますので遭難などしませんから安心してください」

絵里「ふふっ…それは頼もしいわ」

31: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:02:47.28 ID:enFz2xaq
海未「レインウェア…アウターだけでなく、中に着る服も選んでしまいましょうか」

海未「汗を吸収してくれるインナーと…その上に着る服…ミドルウェアといいますが」

海未「基本はこの3レイヤーといいまして、体温調節がしやすいように、重ね着が必要なんですよ」

海未「寒ければインナーとアウターの間には何枚着ても構いません」

海未「後は、足の動きをサポートしてくれるタイツもあるといいですね」

32: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:03:21.40 ID:enFz2xaq
絵里「分かったわ…このアウターなんてどうかしら?」

海未「はい、似合っていると思いますよ」

絵里「じゃあこっちは?」

海未「そちらも似合っていますね」

絵里「…」

絵里「それなら…これなんかどう?」

海未「はい、絵里にとても似合っていますよ」

33: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:04:02.44 ID:enFz2xaq
絵里「はあ…海未、そんなんじゃダメよ」

海未「あの…何がダメなのでしょうか?」

絵里「何でも似合うって言われてたら、本当に似合っているのか分からないわ」

絵里「どういうところが似合っているとか、そういう感想が欲しいのよ」

海未「な…なるほど…この前ことりに怒られた理由が分かりました…」

絵里「ふふっ…確かに、ことりは怒りそうね」

海未「はい…私はファッションには疎い方なので…」

海未「それに…ことりの選ぶ服は全ておしゃれで、似合っているというか…」

34: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:04:43.16 ID:enFz2xaq
絵里「違うわ、海未。ファッションの知識なんて関係ないもの」

絵里「海未が感じたまま伝えてくれればいいのよ。それが一番なんだから」

海未「そういうものなのでしょうか?」

絵里「ええ、そういうものなのよ。でも、ことりが選んだスカートが短くて…破廉恥ですっ!とか言っちゃダメよ」

海未「そんな事言いません…とは言えませんね」

絵里「そうよ、そういう時は優しく着て欲しくないってことを伝えるの」

35: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:05:27.43 ID:enFz2xaq
海未「例えば…どのようにですか?」

絵里「ことりは私の大切な人だから…そんなに周りを魅了する服は着て欲しくないです…ってね」

海未「なっ…それでは…ことりに誤解を…///」

絵里「まあ、これぐらいとは言わないけど、褒める時にはちょーっと考えて欲しいって事よ♪」

海未「な…なるほど…///」

36: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:06:09.88 ID:enFz2xaq
絵里「じゃあ、どの服がいい?」

海未「そうですね…それではその青いレインウェアがいいと思います」

絵里「何でそう思うのかしら?」フフッ

海未「その…絵里の瞳と同じ色で…鮮やかな青がいいかと…///」

絵里「そうかしら?じゃあこれにしましょう」

絵里(ふふっ、結構嬉しい事言ってくれるじゃない♪)

37: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:06:51.72 ID:enFz2xaq
絵里「後は何か買った方がいいものってある?」

海未「そうですね…行動食があるといいかもしれませんね」

絵里「行動食?」

海未「登山はかなり体力を使うので、途中でエネルギー切れにならないように食事はこまめに取らないといけないんですよ」

絵里「なるほどね」

海未「絵里の好きなチョコレートや羊羹なんかがよく食べられていますね」

海未「ほかにも、クッキーやカロリーメイトもお勧めですが、喉が渇いてしまいますので」

海未「後は、帽子や手袋、水筒、タオルがあれば大丈夫かと」

絵里「それは持ってるから大丈夫よ」

海未「分かりました。それでは明日、よろしくお願いします」

38: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:08:00.72 ID:enFz2xaq
絵里(いつもの海未…に見えるけど、心なしかそわそわしてるわね)

絵里(本当に楽しみだったのね、隠しきれてない所が海未らしいというか…本人は否定するでしょうけど、顔に出るタイプだし)

絵里(海未にもこういう時間があってもいいと思うのよ、私)

絵里「明日は楽しみましょうね、海未」

海未「はい!」

39: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:08:47.11 ID:enFz2xaq
海未「おはようございます、絵里」

絵里「ふわぁ…おはよう、海未」

海未「大丈夫ですか?」

絵里「ええ、ちょっと眠いだけだから大丈夫よ。それじゃあ行きましょうか」

海未「すみません、午後になると天気が崩れやすいので早めの集合にしてしまいました…」

絵里「いいのよ、それじゃあ行きましょうか」

海未「電車で移動なので、その間寝ててもいいですよ」

絵里「お言葉に甘えさせてもらうわ…」

40: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:09:21.10 ID:enFz2xaq
絵里「…ん」

海未「……」

絵里「あら?海未も寝てるわ…」

絵里「もしかして…楽しみで眠れなかったのかしら」クスッ

絵里「合宿の時は直ぐ寝ちゃうから、それはそれで驚いたけど」

絵里「こういう子供っぽい所もあるのね…ホントかわいいんだから♪」

海未「ふわぁ……すみません。寝てしまいました…」

絵里「いいのよ、そろそろ目的の駅じゃない?」

海未「そうですね、降りる準備をしておきましょうか」

41: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:10:06.34 ID:enFz2xaq
海未「絵里、ストレッチはしてきましたか!?」

絵里「ええ、大丈夫よ」

海未「それではもう一度軽くしてから登りましょう!」

絵里(あらあら、いつもの海未じゃないみたい、とても元気ね)

絵里「分かったわ、それにしても人が多いのね」

海未「紅葉のシーズンですからね。それに人が多い山の方が安心かと思いまして」

絵里(もしかしたら、変な山に連れていかれるんじゃないかって心配だったけど…良かったわ)

絵里「ありがとう、そろそろ行きましょうか」

海未「はい…友人と登山なんて…何か月…いや…何年ぶり…でしょうか…」ウルウル

海未「今日は誘っていただいて…本当に嬉しいです!!」

絵里「へ…へえ…良かったわ」

絵里(なんか…ちょっと不安になってきたけど…振り回されたりしないわよね…)

42: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:10:52.93 ID:enFz2xaq
海未「それでは行きましょう!絵里のペースに合わせるので絵里が先頭でお願いします」

絵里「いいの?少しなら体力に自信あるけど…」

海未「大丈夫ですよ。登山は慣れてない人のペースに合わせることが基本なので」

絵里「そう?ならそうさせてもらうわね」

海未「後はすれ違う人が居たら挨拶と…道幅が狭い時は登りの人が優先になりますので、その点だけ忘れないようにしてくださいね」

絵里「分かったわ、思ったより冷静で安心したかも…」

海未「はい…昔は穂乃果やことりのペースを考えずに一人で進んでしまって…」

43: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:11:56.63 ID:enFz2xaq
絵里「そうね、私も置いていかれたら困るし寂しいもの」

海未「はい…その後一人で山へ来ても…心の底から楽しめたとは言えなくて…」

海未「やはり、友人と話したり食事をしたり、景色を眺めながら登ることが楽しいのだと…そう思いました」

海未「なので…今日は…」

絵里「分かったわ、そんなに暗い顔しないの。せっかくの登山なんだもの、楽しまないとね♪」

海未「はい!今日はよろしくお願いします」

44: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:13:12.66 ID:enFz2xaq
絵里「それにしても、紅葉が綺麗で、つい見惚れちゃうわね」

海未「そうですね、新緑の季節もいいものですが、やはり秋が一番好きですね」

海未「景色だけでなく、この落ち葉を踏む音だったり、匂いなどの自然を感じることが出来ますので」

絵里「そうね…本当にいいわね…」

海未「そろそろ一息つきましょうか、かなり歩いてますし」

絵里「あら、こんなに時間が経ってるのね。気が付かなかったわ」

海未「ええ、ちょうど一息つける場所もありますし、こちらで」

絵里「ふぅ…どのぐらい登ったのかしら?」

海未「三分の一ぐらいですね。今のうちに、軽く食べておきましょうか。絵里はチョコレートを買ったのですよね?」

絵里「ええ、ちょっと手を加えてね。良かったら海未も食べて?」

45: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:13:58.50 ID:enFz2xaq
海未「これは…絵里の手作りですか?」

絵里「調べてみたらドライフルーツも行動食に良いってあったから混ぜてみたの」

海未「すごいですね…お店のチョコレートみたいです」

絵里「そんな事無いわよ、溶かしたチョコにクッキーとドライフルーツ混ぜて固めただけだし」

海未「いえ…本当に凄いと思います…それではいただきますね」

絵里「どう?美味しい?」

海未「はい!とても美味しいです!」

絵里「本当?沢山あるから気にしないで食べていいわよ」

46: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:14:29.41 ID:enFz2xaq
海未「あ…あの…」

絵里「どうしたの?」

海未「私は…飴とか羊羹とか…既製品ばかりで…」

絵里「そんな事気にしなくていいのよ?そういう事なら、今度来た時の楽しみにしておくわ」

絵里「ほら、お菓子食べて元気付けたら行きましょう?私早く登りたいもの!」

海未「あの、次という事は…」

絵里「ええ、なんだか山が好きになってきたかもしれないわね」

海未「は…はい!良かったですっ!」

絵里「じゃあ、行きましょう?」

海未「はい!」

47: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:15:12.51 ID:enFz2xaq
絵里「海未は楽しい?」

海未「はい、それに行動食でも楽しめるとは思っていなかったので」

海未「今までは、単純に体調管理のための物としか考えていませんでしたが、こうして二人で来ると色々な発見があると言いますか…」

海未「友人と色々な事をしながら登山をする方が楽しいですね…恥ずかしながらようやく気が付いたのかもしれません…」

絵里「ねえ、海未。私と一緒に来て良かったでしょ?」

海未「はい、今日はとても楽しいです!」

48: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:15:51.08 ID:enFz2xaq
絵里「ふぅ…ちょっと疲れてきたわね」

海未「大丈夫ですか?」

絵里「ええ、もう少しで山頂みたいだし一気に行っちゃうわ」

海未「分かりました。無理はしないようにしてくださいね」

49: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:16:26.91 ID:enFz2xaq
絵里「はぁ…はぁ…着いた…」

海未「お疲れさまでした、絵里。ちょっと大変でしょうが顔をあげてみてください」

絵里「…綺麗」

絵里「こんな高いところまで登ってきたのね…」

海未「そうですよ、この感動は何度登っても…感慨深いものです」

絵里「ずっと…このままこの景色を見ていたい気分…」

海未「はい…」

50: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:17:05.88 ID:enFz2xaq
海未「絵里…あの…今日はありがとうございました」

絵里「私も楽しかったわよ」

海未「それだけではなくて…今日誘って頂いたのも私に気を…」

絵里「海未、それ以上は言わなくていいわよ」

海未「ですが…」

絵里「こんなに素敵な景色を見ているんだもの、今を楽しめばいいじゃない」

51: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:17:45.18 ID:enFz2xaq
絵里(きっと、これは…自分にも言い聞かせてるのかもしれないけど…)

絵里(昔の私も…今の私も…そこまで変わっていないって事なのかしらね…)

絵里(海未と私は、考えすぎるところは似てるもの、周りの事なんて気にしないで自分の気持ちにもっと素直になればいいのにね)

絵里(でも、そんな自分の事は割と…)

海未「それでは…一つだけ。今日…昨日も含めてですが、久しぶりに難しい事を考えずに楽しめたような気がします」

海未「なんとなく…絵里が最初に言っていた意味が分かったかもしれません」

絵里「あら?何の事かしら?」

海未「ふふっ…絵里ならそう言うと思ってましたよ」

絵里「そう…でもね」

絵里「私も、めんどくさい事を考えないで楽しめた…そんな気がするのよ」

絵里「だから、ありがとう。海未」



おわり

52: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:18:28.74 ID:enFz2xaq
おまけ



――翌日――

穂乃果「ふふーん」

絵里「あら?随分ご機嫌ね」

穂乃果「これ見て!!満点とったんだよ!!」

絵里「へえ、やるじゃない。流石私ね」

53: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:18:58.32 ID:enFz2xaq
穂乃果「な…何言ってるの?穂乃果勉強頑張ったんだよ?」

絵里「ことりから貰ったノートで?」

穂乃果「な…なんでそれを…確かにそのノート見て勉強したけど」

絵里「だって、そのノート、私が作ったんだもの」

絵里「穂乃果なら絶対ことりの所に行くって分かってたから、ちょっとね」

ことり「ごめんね、穂乃果ちゃん♪」

絵里「まだ、私に歯向かうなんて早いって事ね」

穂乃果「ううっ…」

穂乃果「でも、ありがとう絵里ちゃん。こんな点数とれたの久しぶりかも!」

54: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:19:24.05 ID:enFz2xaq
海未「…」

絵里「どうしたの?」

海未「いえ…なんでも…」

絵里「あ、私のおかげで穂乃果が良い点とったからいじけてるんでしょ」

海未「そ…そんな事ありません!!」

絵里(ムキになっちゃって…ほーんと海未ってかわいい♪)



おわり

56: 名無しで叶える物語(もも)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:21:10.52 ID:OnarhCLA
全員かわいい

57: 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:21:25.12 ID:lqLsbjjS
おつKKE

58: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:21:33.09 ID:zFdWKbAq

ハラショーなえりうみありがとう!

59: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:22:39.07 ID:w/rEoau/
はい10ハラショー

61: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/24(月) 23:23:50.52 ID:W80pzmt0
ハラショー!!