一週間前


絵里「生前葬ねぇ...自分の生きている内に縁のある人やお世話になった人を招いてお別れと礼を述べるために行なうもの....」

亜里沙「生きてるのにお葬式をするの？ハラショー....」

絵里「そうね、でもμ’ｓの皆にはお世話になってるし...皆にお礼を言うのにはいいかもね」

亜里沙「うーん...たしかに死んじゃったらお礼も言えなくなっちゃうもんね」

絵里「そうだ！亜里沙、来週の私の誕生日にこれをやってみない？」

亜里沙「お葬式を？」

絵里「そうよ！皆に祝ってもらうのも嬉しいけど、いい機会だからやってみましょう」

亜里沙「でも準備は？どこでやるの？」

絵里「うちでやりましょう、呼ぶのはμ’ｓのメンバーだけだし」

絵里「飾りつけ...じゃなくって会場とかは私が作るから、亜里沙は皆への招待状の準備と喪主の練習をしといて」

亜里沙「喪主？」

絵里「うーん...簡単に言えば司会者みたいなものね、もしわからなければ聞いて頂戴」

亜里沙「わかったよ！お姉ちゃん！亜里沙、頑張ってみるね！」

絵里「ありがとう、亜里沙」

絵里「さて、私は演出とか皆へのメッセージを考えなくっちゃ！」

現在


亜里沙(....亜里沙、上手に喪主できてるかな？....)

ことり「亜里沙ちゃん、強いよね....絵里ちゃんがこんなことになったのに泣きもせず喪主をするなんて...」

海未「何かあったら私達で亜里沙を支えましょう、絵里の分まで」

真姫「サプライズパーティをしようって皆でせっかく用意したのに....エリーのバカ....」ポロポロ

海未「真姫.......」


絵里(ちょっと待って？なんかおかしくない？)


穂乃果「なんで！なんで！！絵里ちゃん死んじゃったの！？」

にこ「後輩を泣かせるなんて.....絵里っ、貴方は最低よ....」

凛「死んだなんて嘘にゃ！凛、絶対に信じないもん！」

絵里「」


絵里(ちょっと！なんで私、死んでることになってるのよ！)

絵里(一体どういうことなの？....っ！まさか)


絢瀬家葬儀のご案内

10月20日 午後10時38分、姉、絢瀬絵里が永眠致しました。ここに生前のご厚誼を深謝し、謹んで通知申し上げます
告別式は、10月21日午後1時より、絢瀬絵里の自宅において仏式により執り行います
(こちらの勝手ながらご供花ご供物の儀は故人の遺志により堅くご辞退申し上げます)
死亡日時  10月20日 午前10時38分
絢瀬絵里　享年１７歳

続柄 姉
死因 交通事故のため
葬儀・告別式
告別式 10月21日 午前1時より
場所 絢瀬家
喪主  絢瀬亜里沙


絵里「」

絵里(これ本当のお葬式の案内状みたいになっちゃってるじゃない！！しかもなんか勝手に事故死してるし！)

絵里(ど、ど、どうしよう....)

絵里(と、とにかく....早く皆に前に出て！誤解を解かないと！)

絵里(よし、いくわよ！)


＼ハートブレイク！！／

絵里「！？」


穂乃果「うわあああん！絵里ちゃん！」

海未「この歌声も、もう聞くことができないのですね.....」

花陽「でも『ありふれた悲しみの果て』なんて泣いちゃうよぉ...こんなの」ポロポロ


絵里(あああああ！生前葬はかける音楽も自由だから色んな曲を入れたけど、タイミング悪すぎよ！)

絵里(うぅ.....ますます出づらくなっちゃったじゃない....)

絵里(でも、皆泣いてくれるのね...ちょっと複雑だけど嬉しいわね)

絵里(って、そんな場合じゃないわよ！早くどうにかしないと！)

絵里(というか、亜里沙はこの異常事態に気づいてないの？主役である私がいないのよ？)


亜里沙(主役は最後に登場するんだよね？お姉ちゃん、だからそれまでは亜里沙頑張って喪主をするね♪)


希「...........」


絵里(それに希だけ、なんか無表情というか様子がなんか変ね...どうしたのかしら？)

海未「葬儀で曲をかけるのはどうかと思いましたが、いい演出ですね.....」

ことり「演出って...そんな言い方」

海未「すみません、ことり...でもそう言って強がってないと、泣いてしまいそうで....最後くらいは笑顔で送りたいじゃないですか....」ぷるぷる

ことり「海未ちゃん......」


真姫「この曲は.....ＢⅰＢⅰの最初に歌った曲ね」

にこ「もうＢⅰＢⅰで歌うこともないのね...」

真姫「にこちゃん！そんなことを言うのはやめてよ！」

にこ「ごめん、真姫ちゃん......」


絵里(にこ、真姫.....ん？ＢⅰＢⅰそうだ！その手があった！)

絵里(二人共...私を助けて！！)

にこ「？メール？.....！？」

真姫「どうしたの？にこちゃん？」

にこ「ちょっと、トイレ......」



にこ(何よ！？このメールは？絵里宛からのメールとか誰の悪戯よ！)

にこ(家の前で待ってる？いたらそいつをぶん殴ってやるわ！！覚悟しなさいよ！)


ガチャ

絵里「待ってたわ！にこ」

にこ「」

絵里「にこ？」

にこ「」

絵里「おーい、にこってば！」

にこ「はっ！お、お、お化っ.....」

絵里「し、静かにっ！！今説明するから」バシッ

にこ「もごもご.....」

にこ「ばっかじゃないの！？」

絵里「うぅ.....」

にこ「で、なんでにこなのよ？」

絵里「え？」

にこ「仕方ないから協力してやるって言ってるのよ！」

絵里「に、にこぉ！！」ダキッ

にこ「苦しいわよ！でどうすればいいのよ？」

絵里「えっと、まずは真姫もここに呼んでくれるかしら」

にこ「真姫を？わかったわ」

真姫「何よ、にこちゃん今は葬儀中よ！」

絵里「真姫」

真姫「へ？.......お、お、お化け！？」

にこ「それはさっきもうやったにこ」

真姫「え？え？」



真姫「むぅ.....エリーのバカ」

絵里「ご、ごめんね？こんなことになるとは思わなくて」

真姫「...........」

絵里「うぅ.....にこぉ....」オロオロ

にこ「いや、にこに頼られても」

真姫「はぁ....仕方ないわね、手伝ってあげるわ」

絵里「真姫ぃ！.....」ダキッ

真姫「ちょっと！苦しいじゃない！エリー！」

ガチャ


海未「にこと真姫、どこに行ってたんですか！絵里の葬儀中ですよ！」

ことり「海未ちゃん、落ち着いて...二人共辛いのは一緒だよ？」

海未「っ！....すいません....二人も辛いのは一緒ですもんね...」

ことり「海未ちゃん？無理はしちゃだめだよ？」

海未「っ......絵里ぃ.....」ぽろぽろ

ことり「よしよし.....」

にこ(うぅ....やっぱり、やり辛いわね...)



花陽「なんで真姫ちゃんとにこちゃんはコートを着てるの？」

にこ「それはね.....」

真姫「こういうことよ！」バッ

海未「その服は....ＢⅰＢⅰの衣装？」

凛「二人共どうしたの？」



にこ「皆、ごめん...私と真姫、そして絵里の３人でＢⅰＢⅰはやってきたわ」

真姫「勝手かもしれないけど、最後に３人で歌わせて欲しいの」

花陽「流れてる曲もさっきからずっとＢⅰＢⅰの曲だもんね、絵里ちゃんに送る曲にはいいかもね」

穂乃果「うん！それで何を歌うの？」


にこ「Cutie Panther、PSYCHIC FIRE、錯覚CROSSROADSの順番でいくわ」

真姫「最後に最高のＢⅰＢⅰパワーを見せてあげましょう！」

亜里沙(これがお姉ちゃんの演出かな？ライブが生で見れるなんて嬉しいな)

真姫「皆、ごめんなさい、場所を作りたいからちょっとだけ隣りの部屋に行っててもらっていい？」

にこ「亜里沙ちゃんはあっちの部屋に皆を案内して」

絵里「棺桶の中暗くて怖い.....」コソコソ

にこ「黙って入ってなさい！自業自得よ」

真姫「にこちゃん、静かに....」コソコソ

にこ「ほら携帯のライトを点ければいいでしょ、中でじっとしてなさいよ」

絵里「その、ありがとう、二人共」

真姫「全く手のかかるユニットリーダーね」

にこ「あとは私達に任せて、リーダーは打ち合わせ通りに出てきてね」

絵里「わかったわ」


にこ「皆～準備できたわよ！」

真姫「最後のＢⅰＢⅰのライブ目に焼き付けてよね」

PSYCHIC FIRE終了後


真姫「皆、ありがとう」

にこ「でもなんか足りなくない？」

凛「絵里ちゃん......」

にこ「いや、そうじゃなくて～ＢⅰＢⅰコールしてないよね？」

真姫「あぁ....最後だし、やる？」

にこ「もちろん！皆ぁ！絵里に最後の最高のＢⅰＢⅰコールを送ってくれる～？」

一同「おぉ～！！」

希「.........」


にこ(希だけ、さっきから無表情で怖いんだけど、まさかばれてる？)

にこ(でもコールはしてたし、大丈夫よね？)

にこ「じゃあ、いくわよ......びーび！ 」

一同「びーび！」

にこ「びびびー！！」

一同「びびびー！！！」

にこ「びっびびっび！！」

一同「びっびびっび！！」

にこ「びっびびびっびびびび！！」

一同「びっびびびっびびびび！！」

にこ「びっびっびっびびびびびっびびびびっびびっびびびびびっび！！」

一同「びっびっびっびびびびび！！........」

絵里(皆、無茶振りすぎてついてこれてないじゃない)

真姫「どう？にこちゃん？」

にこ「最高のＢⅰＢⅰパワーがキテます♪キテます♪」

真姫「それじゃあ....いくわよ」

にこ「絵里に届け！皆のＢⅰＢⅰパワー！！」

ガタガタッ

絵里「かしこい？かわいい？」

一同「！？」

ガタンッ

絵里「エリーチカ復活ー！！」

一同「！？」

にこ「皆のBiBiパワーでなんと絵里が見事、復活しました！」

真姫「..........」

絵里「全く、勝手に人を殺さないでよね」

真姫「でも、さっきまで棺桶の中に.....」

にこ「まさか、にこ達皆、錯覚してた！？」

真姫「そうみたいね....」

絵里「じゃあ、さらに錯覚させてやりましょう、真姫お願い」

真姫「それでは聞いてください、錯覚CROSSROADS」



海未「.....どういうことですか？」

にこ「う、海未、今はライブ中だから....」

海未「それで納得ができると？」

にこ「ひぃ！」

凛「３人共説明するにゃー！！」

絵里「皆様方、色々と申し訳ございませんでした」

亜里沙「ううん、亜里沙が勘違いしちゃたのがいけなかったの」

海未「亜里沙は絵里がこんな訳にわからないことを頼むのがいけないのです」

亜里沙「海未さん.....」

絵里「ちょっと海未！亜里沙にだけ甘くない！？」

海未「はい？なにか言いましたか？」

絵里「っ！な、なんでもないです....」

真姫　にこ(よかった、お説教を免れることができて)


凛「絵里ちゃん、皆へのメッセージビデオまで作ってたんだね」

穂乃果「ほえ～凝ってるね～」

絵里「ふぅ....こってり絞られたわ...なにが生前葬は縁起がいいよ！全然だめじゃない」

希「...........」

絵里「希？」

希「........」ペタペタ

絵里「何？希？くすぐったいわよ」

希「これ....うちからのプレゼント」

絵里「ありがとう！希！開けていいかしら？」

希「うん、開けて」

絵里「これは.....指輪？」

希「エリチが前うちに指輪が欲しいって言ってたやん？」

絵里「そうだけど....いいの？貰っちゃって」

希「うん、その代わりにうちのお願い聞いてくれる？」

絵里「いいわよ、教えて」

希「ずっとうちの事を大好きで隣から離れないでいてくれますか？」

絵里「もちろん、可能な限りいるつもりよ」

希「そっか......でもエリチはＬｏｖｅじゃなくてＬｉｋｅだよね」

絵里「え？」

希「さっきまでずっと後悔してた、だって想いを伝える人がいなくなちゃったんだもん」

希「だからもう後悔はしたくないし、離したくもない....だからうちの隣りに....ううん、うちはずっと一緒にいたい！」

希「うちじゃやっぱりだめかな？.....」

絵里「..........」

希「うぅ........」

絵里(すっごい怒られるかと思ってたけど....希ったら....)


海未「...........」

ことり「海未ちゃん駄目だよ、横入りしちゃ」

海未「そんな野暮なことはしないですよ、ただ行く末を見守ってるだけです」

絵里「希、向こうを見て」

希「え？向こう？」


絵里『そして、最後に希、希には感謝してもしきれないわ....皆の中で一番付き合いも長くていつも隣にいてくれた希には感謝しても感謝しきれないわ』

絵里『だから希、私と私とずっと一緒にいてください、私は東條希を愛してます』


絵里「ね？」

希「.....そっかぁ....よかった....よかったぁ」ニッタリ

絵里「の、希？」

希「希パワーたっぷり注入！はーいぷしゅっ！」プシュ！

絵里「な、何を.....」ガクッ


希「ずっと一緒だよ、エリチ....よいしょっと」


穂乃果「海未ちゃーん、絵里ちゃんが希ちゃんに運ばれてくよ？」

海未「自業自得です、私は見守るだけです」

翌日(休日)

穂乃果「おはよーあれ絵里ちゃんは？」

ことり「あそこにいるよ」


絵里「ねぇ....首輪はやめない？私はペットじゃないわよ？」

希「うーん.....じゃあ、これにしよっか♪」ジャラ

絵里「手錠って......トイレはどうすんのよ」

希「ずっと一緒にいてくれるんでしょ？」

絵里「そ、そうは言ったけど......」

希「.........何、うちが嫌なの？」ギロッ

絵里「ヒィ！」


海未「いやー、あの出来事がきっかけで希は少し独占欲が強くなりましたね」

真姫「ちょっとじゃないでしょ！？首輪を普通恋人にしないでしょ！？」

花陽「そうかな？まぁ人前はあれかもしれないけど.....」

真姫「え？」

海未「たしかに、まぁ、学校では控えるように一応言っときますか」

真姫「え？」


希「来年のうちの誕生日はエリチと同じようにうちの生前葬しようね♪」

希「今度は二人っきりで....うちの、もちろんいずれはエリチのお家になるお家で....」

絵里「え」

希「あ、そうだ! 子供はっ…子供はエリチは何人欲しい?
うちは三人欲しいかな。女の子がふたり、男の子がひとりね。名前
はエリチが決めてあげて。うちってあんまりネーミングセンス
ないから。えへへ、どっちに似ると思う？　うちとエリチの子
供だったら、きっと男の子でも女の子でも可愛いよね。それで
庭付きの白い家に住んで、大きな犬を飼うの。犬の名前くらい
は私に決めさせてね。エリチは犬派？　猫派？　うちは断然犬
派なんだけど、あ、でも、エリチが猫の方が好きだっていう
んなら、勿論猫を飼うことにしようよ。私、犬派は犬派だけれ
ど動物ならなんでも好きだから。だけど一番好きなのは、勿論
エリチなんだよ、エリチがうちのことを一番好きなように。
そうだ、エリチってどんな食べ物が好きなの？　どうしてそんな
ことを聞くのかって思うかもしれないけれど、やだ明日からうちがず
っとエリチのお弁当を作ることになるんだから、ていうか明日か
ら一生エリチの口に入るものは全部うちが作るんだから、やっぱり
好みは把握しておきたいんよね。好き嫌いはよくないけれど、で
も喜んでほしいって気持ちも本当だもんね。最初くらいはエリチ
の好きなメニューで揃えたいって思うんだ。お礼なんていいんよ彼
女が彼女のお弁当を作るなんて当たり前のことなんだから。でもひ
とつだけお願い。うち『あーん』ってするの、昔から憧れだったんだ。
だからエリチ、明日のお昼には『あーん』ってさせてね。照れて
逃げないでね。そんなことをされたらうち傷ついちゃうもん。きっと
立ち直れないわ。ショックでエリチをやっちゃうかも。なーんて。
それでねエリチ、怒らないで聞いてほしいんだけどうち、
中学生の頃に気になる人がいたんよね。ううん浮気とか
じゃないんよ、エリチ以外に好きな人なんて一人も
いない。ただ単にその子とはエリチと出会う前に知り
合ったというだけで、それに何もなかったんだから。今か
ら思えばくだらない人だった。喋ったこともないし。喋
らなくてよかったと本当に思う。だけどやっぱりこうい
うことは最初にちゃんと言っておかないと誤解を招くかも
しれないから。そういうのってとても悲しいと思うんよね。
愛し合う二人が勘違いで喧嘩になっちゃうなんてのはテレ
ビドラマの世界だけで十分。もっともうちとエリチは絶
対にその後仲直りできるに決まってるけど、それでもね。
エリチはどう？　今まで好きになった女の子とかいる？　いるわ
けないけども、でも気になった女の子くらいはいるよね。いてもい
いんよ全然責めるつもりなんかないもん。確かにちょっとはやだ
けど我慢するよそれくらい。だってそれはうちと出会う前の話だもん
ね？　私と出会っちゃった今となっては他の女子なんてエリチか
らすればその辺の石ころと何も変わらないに決まってるんだし。
エリチをうちなんかが独り占めしちゃうなんて他の女子に申し訳ない気もする
けれどそれは仕方ないよね。恋愛ってそういうものだもん。
エリチがうちを選んでくれたんだからそれはもうそういう運命なの
よ決まりごとなんよ。他の女の子のためにもうちは幸せにならなくち
ゃいけない。うんでもあまり堅いことは言わずエリチも少しく
らいは他の女の子の相手をしてあげてもいいんよ。だって可哀想だ
もんね私ばっかり幸せになったら。エリチもそう思うでしょう？」 」


絵里「生前葬なんかもうこりごりよぉ！！」

もう絵里ちゃんの誕生日も終わるしぐだってきたしおしまい！！
最後まで付き合ってくれた方々ありがとうございました！！

俺ものんたんにこれくらい束縛されたいなあ

希こぇぇw
こういうのってヤンデレに含むのか？

乙でした

乙
俺も束縛されたい