1:2016/06/04(土) 22:34:37.28 ID:
3:2016/06/04(土) 22:37:02.69 ID:
明け方まで雨が降った雨上がりの土曜日、今日もスクールアイドル部の練習の日です。
よっちゃんが沼津駅から乗ってくるバスに乗り合わせて、一緒に学校へ。
学校の下のバス停で降りるのも一緒です。

善子「ここ、こんなに水がたまるのね」

学校へ続く坂道、公道と、学校の敷地である私道の境目になるあたり。
少しくぼんでいるみたいで、大きなの水たまりになっていました。
地面はだいたい乾いているのに、ここだけは泥混じりの雨水が残っています。

善子「りりー、気をつけてね」

よっちゃんが、水たまりの端をそろそろと歩きます。
私も、よっちゃんに手を引かれて、水たまりに踏み込まないように気をつけながら。
そのときです。
4:2016/06/04(土) 22:38:29.33 ID:
後ろから、車が走ってくる音がしました。
映画なんかであるようなキキーっというカーブのときの音がして、後ろから突っ込んできます。
ここから先は私道で、学校で行き止まりです。普段は学校に関係のある人しか車では乗り入れません。

「リリー!」「よっちゃん!」

急いでいるのかものすごい勢いで突っ込んできます。外車のスポーツカーっぽい外見の車です。
とっさによっちゃんと抱き合うようによけました。
……はい、水たまりの横です。
たまっていた泥混じりの雨水が跳ね上がりました。
そして、二人でそれをまともにかぶってしまったわけで。
5:2016/06/04(土) 22:42:10.49 ID:
しばらく無言でした。

善子「ヨハネの不運に巻き込んでしまったようね……ごめんなさい」

よっちゃんは、うつむいて言います。
髪から、泥水がぽたぽたと落ちます。
でも、それは私も同じです。

梨子「よっちゃんのせいじゃないよ」

しばらく、そのまま見つめ合いました。

梨子「とりあえず、学校に行こう」

善子「……そうね」

学校につくまでに、さっきの車が引き返してきて、そのまま通り過ぎていきました。
6:2016/06/04(土) 22:44:07.74 ID:
浦の星女学院には、部室のための建物はありません。
運動系の部が減ってしまったこと、文化系の部は理科室や家庭科室で用が済むことが理由です。
なので、スクールアイドル部は、空き教室の一つを集合場所兼更衣室として使わせてもらっています。
私達より前に来ていたのは、果南さん、鞠莉さんのの二人でした。

鞠莉「どうして二人ともドローウンドラット(濡れ鼠)?」

梨子「車に水を掛けられたんです」

果南「もしかして、下の水たまり?」

善子「そう。道を間違えて踏み込んできた車みたいね」

もう水滴は落ちませんが、髪も制服も泥で汚れています。

果南「先生に話してシャワー室使わせてもらおう」

鞠莉「その間に制服は、できる範囲でクリーニングね」
8:2016/06/04(土) 22:47:07.56 ID:
果南さんが、職員室にいた先生に話をしてくれました。
よっちゃんと二人、当番で学校にいた先生の後に付いて、シャワー室にむかって歩きます。

「災難だったわねぇ」

先生が、校舎の、普段は使っていないので立ち入らない場所にあるシャワー室の鍵を開けてくれました。
校舎の中からは直接行けるけれど、建物は別とのことです。実は、編入したときから何の建物だろうと思ってみていました。
生徒が多かった頃、スポーツの部活のために作った設備という話でした。
このシャワーは、プールのところのとはちがって、お湯が使えるそうです。
ただ、スポーツ系の部の規模が減少していったことで、いつしか使用されなくなったという話でした。
今では、災害時に使うために、県の補助金で維持しているのだそうです。
9:2016/06/04(土) 22:48:33.25 ID:
「時々、学校の道に、修善寺の方に抜けられると思って入ってくる車がいるのよ。すぐ引き返したっていうことはそれね」

善子「まったく、このヨハネに水を掛けて生きて帰れただけ僥倖よ……リリーに水を掛けた報いを受けてないのが許せないけれど」

こころなしか、よっちゃんの元気がありません。

「じゃあ、もうお湯は出るはずだから、終わったら職員室に来てね。あと、下着が水を吸っていたら、そこにある洗濯機で洗えば、今日はすぐ乾くと思うわ」

シャワー室の隅には、大きなバケツというか、大きなジューサーミキサーみたいななにかがありました。
小さいものを洗うための、一番小さいサイズの洗濯機なのだそうです。
10:2016/06/04(土) 22:51:17.53 ID:
鞠莉「先生、タオルは保健室のでオーケー?」

鞠莉さんが、フェイスタオルとバスタオルを二つずつ持ってきてくれました。

「ええ、ありがとう小原さん。あと、シャンプーとかはないからそれは我慢してね」

果南「私達のでよければ使って」

なぜか、果南さんはシャンプーとかトリートメントとかボディーソープとか、ボトルが数本入れてあるカゴを持っていました。
よく見ると、旅行用の洗濯石けんのパックまで入っています。

善子「何でそんなものがあるの?」

学校では、普段はお湯の出るシャワー室が使えないのに、何故そんな物を私物で置いてあるのでしょうか。

果南「ほら、私達、島から通ってるから、天気が悪くなると時々帰れなくなるんだよ」

鞠莉「イエース、学期ごとに1回くらいはゴーホーム出来なくなっちゃうの。それで、念のためにステイの準備はしてあるわけ」

そんなときは、災害時の避難所となっている昔の寄宿舎に泊まるのだそうです。

梨子「じゃあ、有り難く使わせてもらいます」

果南さんからカゴをうけとりました。
ところで、さっき、私達のって言っていたけれど……まあ、詮索はよしましょう。
12:2016/06/04(土) 22:54:20.44 ID:
シャワー室の脱衣場は、なんとうか、お風呂の脱衣場みたいな造りでした。
いくつも棚があって、すみに、さっき説明してもらった洗濯機が置いてあります。

善子「リリー、巻き込んでごめんなさい」

梨子「気にしてないよ。それに、よっちゃんとこうやって二人きりになれたし」

フォローのつもりでいったい何を言っているのでしょうか。

善子「う、うん、そうね、リリーがそう言ってくれるなら」

梨子「シャワー浴びちゃおうね」

セーラーのブラウスを脱ぎました。下のスカートも脱いで。
……やっぱり、下着まで泥水がしみていました。
13:2016/06/04(土) 22:56:57.00 ID:
梨子「よっちゃんは大丈夫だった?」

善子「えっあっ?だ、だいじょうぶじゃないわよっ」

横のよっちゃんを見ると、なぜか目が合ってしまいました。
どうやら、私を見ていたようです。

善子「その、リリーがきれいだったから、つい」

そう言われると恥ずかしくなります。だって、まだ、泥水をかぶったそのままで、乾いた土が付いてるところもあって。

梨子「まだ洗ってないんだから、あんまり見られると恥ずかしい」

善子「ごめんなさい……でも、リリーはきれいよ」

お互いに、胸に、脱いだセーラーカラーのブラウスを抱いて、向き合ってうつむきます。

梨子「よっちゃんだって、かわいいよ」

善子「……ありがとう」

いきなり扉が開きました。

鞠莉「梨子、ヨハネ、家庭科室のランドリーマシン使っていいことになったわ。ブラウスは洗っておくから先に出して」

梨子・善子「!」
14:2016/06/04(土) 23:00:15.19 ID:
私とよっちゃんが、ゆっくりと顔を横に向け、脱衣場に飛び込んできた鞠莉さんを見ます。
私達が半裸で向き合ってうつむいているところに踏み込んでしまった格好になった鞠莉さんは、

鞠莉「スカートはプリーツがあるからドライするだけになっちゃうけど、いっしょにやっておくわ」

鞠莉「あと、ぱんつあらうのに、私達のカゴに入ってる洗剤使ってもオーケーよ」


平然とそう言って、私達の手から制服の上下を受け取ってから、まあ、そんな場面に踏みこんだっぽいことに気づいたようです。

鞠莉「ソーリー、ごゆっくりー」

鞠莉さんは、くるっと扉の方に向き直りました。でも、慌てて出て行く雰囲気ではありません。

鞠莉「日本のトラディショナルなカムアウトは、歌いながらよね、果南」

果南「そんな伝統はないよ」

扉の外から果南さんに突っ込まれながら、鞠莉さんは私達の制服を抱えると、脱衣場を出て行きます。
はい、歌いながらです。

鞠莉「いまみーらーいーかえてみたくなったよーだってぼくーたちはー」

果南「なんでそれを歌いながら出てくるかな……二人とも、騒がせてごめんね」

……なんでそれを歌いながら出て行くかな。
15:2016/06/04(土) 23:03:39.78 ID:
善子「その、やっと二人きりになれたわね」

梨子「え、そ、そう、そうね」

何もやましいことがないといいますか。
泥水をかぶったのをシャワーで洗い流すだけなのに、二人きりになったらなったで、私もよっちゃんも、思いっきり挙動不審でした。

梨子「ほら、下着も、あらっちゃおう」

よっちゃんの視線を意識しながら、ソックスを脱ぎました。
そのままの勢いで、ブラを取って、ぱんつも脱ぎます。
そして、バスタオルを身体に巻きました。
だって、ここで一呼吸置いたら、よっちゃんを意識して多分脱げなくなっちゃいます。
お泊まりの時、お風呂に一緒にはいるときはこんなに意識しないのに。
脱いだものを洗濯機に入れて、手洗いモードがあったのでスイッチをそれに入れて。
カゴの中の洗剤も一つ、使わせてもらうことにしました。
よっちゃんは、さっきと同じようにうつむいています。
16:2016/06/04(土) 23:04:51.76 ID:
梨子「脱がないの?」

しばしの沈黙の後、よっちゃんが口を開きます。

善子「見たいの?」

会わせた手で胸を隠すようにして、少しばかりの上目遣いで。
いつもの、威勢のいい堕天使ヨハネとは違う姿。
あ、私の中で、なにかスイッチが入ってしまいそうです。

善子「見たいの」
17:2016/06/04(土) 23:06:42.02 ID:
よっちゃんを、壁に追い詰めます。いわゆる壁ドンです。
よっちゃんは私より少し背が低いので、近づくとますます上目遣いになりました。

梨子「ね、シャワー早く浴びちゃおう」

よっちゃんの背中に片手を回し、ブラのホックをつまんで軽くひねります。
ブラジャーって、これだけで外せるんですよ。
あ、これは、中学の時、女の子の間で流行ったいたずらです。本当は服の上からするんですからね。
高校に入ってからは、いまよっちゃんにしたのが初めてです。

善子「!」
18:2016/06/04(土) 23:09:27.66 ID:
よっちゃんがびくっと身体を震わせました。ヘアピンが緩くなっていたのか、よっちゃんの髪のお団子が、ほどけて流れました。
お泊まりの時はいつも見せてもらっているけれど、学校で、それもシャワールームで、お団子がほどけたよっちゃんを見るのは初めてです。
それで少しテンションが上がっていたのでしょうか。
おだんごがほどけたことで、よっちゃんの右耳が髪に隠れていました。
その髪を後ろに長し、現れた耳元に囁きます。

梨子「ね、脱いで。私のと一緒にお洗濯しても、いいよね」

よっちゃんの目が、大きく開かれて私を見ます。
もう一度うつむいて

善子「洗濯機にいれてから行くから、先にシャワーあびてて」

怯えたように言うよっちゃんの表情に、思わず我に返りました。
少し、調子に乗ってしまったようです。
19:2016/06/04(土) 23:11:01.13 ID:
タオルとシャンプーやボディーソープのボトルを抱えて、シャワールームにに入りました。
シャワールームは、タイル張りの床と、コンクリート打ちっ放しの壁です。
それを、アクリルの仕切り板と、スイングドアで一人分に仕切ってあります。
高く取ってある天井近くにある、上明かり取りの窓から日差しが入って、照明がなくても不便はしません。
光と影の対比が面白いので、スケッチしてみたいな、と思ったりもしました。
一番手前のスイングドアを開けて、中に入ります。
外の光が天窓から降り注いできて、白く明るい場所でした。
20:2016/06/04(土) 23:12:42.05 ID:
カランを廻すと、最初は冷たい水が出てきます。そして、少しずつ温かいお湯が出てきます。

梨子「あったかい」

まず、身体をざっと流して、次に髪の汚れを洗い流します。
土が取れて、流れ落ちるお湯の色が透明になるまで。
せっかくだから、シャンプーは使わせてもらいましょう。
ボトルのポンプからシャンプーをとり、髪を洗います。
足音が通り過ぎ、隣でも、水の音がし始めました。
シャンプーの泡を流し終えたとき、隣の水音もとまりました。
そして、

善子「リリー、入るわよ」

スイングドアを開けて、全裸のよっちゃんがすべりこんできました。
21:2016/06/04(土) 23:13:57.17 ID:
梨子「ちょ、ちょっとよっちゃんどうして」

善子「どうして、ってリリーがこっちにシャンプーとか持ってきちゃっているでしょう」

そうでした。

梨子「じゃあ、こんどはよっちゃんが使って……」

そう言いかけたときです。

善子「それと」

よっちゃんが、私を壁に追い詰めます。

善子「リリーが、ヨハネのお団子をほどいてくれたからよ」

今度は私が、壁ドンされてました。
22:2016/06/04(土) 23:15:23.63 ID:
濡れた背中が、コンクリートの壁に押しつけられています。
冷たいのに、それを気にしている余裕がありません。

善子「リリーにだけ教えてあげる。ヨハネのお団子は、封印なの」

また何か新しい設定が出てきました。
よっちゃんのお団子、普段から自分で作ったりほどいたりしていたと思うのですが。
一緒にお風呂に入るときとか、一緒に寝るときとか、わりと頻繁にお団子をほどくのを見ています。

善子「これは、ヨハネの堕天使としての本能を抑えるリミッター。自分でほどく分には、封は解けないの」

善子「でも、ヨハネが愛してる人に解いてもらったとき、そのリミッターが全部はずれるのよ」

いま、さらっと、愛してる人って言ってもらいました。
下から見上げる堕天使の瞳に、目をそらせなくなります。

善子「だから、本能の赴くまま、あなたを求めに来たわ、リリー」
23:2016/06/04(土) 23:17:19.94 ID:
よっちゃんが、私を壁に押しつけたまま、首に手を回して抱きしめます。
背中は冷たいのに、よっちゃんの体温が伝わる前は、ものすごく熱く感じました。
一緒にお風呂に入ったりするのは何回かあったし、どちらかの家にお泊まりの時はいつもくっついて寝ています。
でも、裸で抱き合うのはこれが初めてです。

善子「リリー、柔らかいのね」

梨子「うん……」

よっちゃんの吐息が首筋にあたります。
なので、それだけしか言葉が出てきません。
聞こえる音は、シャワーの水音だけ。
24:2016/06/04(土) 23:19:15.56 ID:
善子「このまま、時間を止めてしまおうかしら」

善子「そうすれば、リリーとヨハネは、止まった時間の中でずっとこうしていられる」

そうやって嬉ししそうにしてくれるのはいいのですが。
それしかしないというのも不満というか。

梨子「それだけ?」

日の光が白く照らすこの場所で、ただ、水音だけが響きます。
その中で、私達は濡れた身体を寄せ合って。
心地よい時間が、ゆっくりと過ぎていきます。
過ぎていきます。
過ぎて……
少し沈黙が長過ぎないでしょうか。
じれったくなって、私は、よっちゃんの背中に腕をまわしました。
25:2016/06/04(土) 23:20:41.50 ID:
善子「え?」

よっちゃんが、びっくりしたような顔でこちらを見上げます。

梨子「よっちゃんのしたいこと、してもいいよ」

雰囲気と勢いというのは大事です。
だから。

梨子「私を、よっちゃんに、あげる」

私の中にある欲望を、よっちゃんに差し出します。
よっちゃんは、私を見上げたまま、しまった、というような顔をしました。
どうして、そんな困った顔をするのでしょうか。
26:2016/06/04(土) 23:21:23.44 ID:
善子「あ、あの、リリー?」

梨子「なあに?」

善子「こういうとき、どんなことをすればいいのかしら」

……堕天使ヨハネは、本能の赴くまま私を求めたくせに、その後何をするか、これっぽっちも考えていなかったようです。
27:2016/06/04(土) 23:24:17.45 ID:
私は、意識して、慈愛に満ちた笑顔を作りました。
堕天使ヨハネ、私はあなたの罪を全て許しましょう。
でも、おしおきは必要ですよね。
そのまま身体を入れ替えて、よっちゃんをコンクリートの壁に押しつけます。

善子「あ、あの、リリー、何をするつもりかしら」

さっきよりも困ったような顔をするよっちゃんに、私は、笑顔を崩さずに言います。

梨子「本能のままに私を求めて何をするかをちゃんと考えていなかったことの、おしおき」

私の中も、堕天使がいるのでしょうか。
よっちゃんに印をつけておきたい気持ちに駆られます。
肩と乳房の間、服で隠れる部分に唇を押し当て。
……えっと、強めに吸えば、跡が付くんですよね。でも、それは内出血だからよっちゃんにけがをさせることで。
あ、このへんの知識は、その、コミックとか、そういうので知ってるだけで実践するのはこの場が初めてで。
だから、やさしく、すこしだけ、よっちゃんの肌を。
28:2016/06/04(土) 23:26:17.92 ID:
果南「おーい、いつまでシャワー浴びて……」

スイングドアが開く音と、果南さんの声が、背中側から聞こえました。
おそるおそる振り向きます。
よっちゃんも、私の身体ごしに、スイングドアの方を覗き込んでいました。

果南「ごめん、ごゆっくりー」

果南さんが、くるっと背中を向けました。

果南「日本の伝統的な退場は、歌いながらだよね、鞠莉」

果南「とどかないってーきめないでー」

鞠莉さんが、ひょこっとスイングドアの向こうから顔をのぞかせました。

鞠莉「なぜそれをシンギングで出てくるのかしら。あ、そろそろみんな揃うから、メイクラブはまた後にね」

鞠莉さんは、歌っている果南さんを連れて出て行きました。
なんというか、私達は、水でも掛けられたように冷静になっていました。
これが、いわゆる賢者モードというものなのでしょうか。
29:2016/06/04(土) 23:28:35.60 ID:
梨子「よっちゃん、そろそろ出ようか」

善子「先に出てて、シャンプーだけしてくるから……ところでリリー」

梨子「なあに、よっちゃん」

善子「もう洗濯は終わってると思うのだけれど、下着が乾くまでどうしましょうか」

梨子「本能のリミッターが外れた堕天使の力でどうにかならない?」

善子「自然には逆らわないことにしているわ」

つまり、どうにもならないということです。
30:2016/06/04(土) 23:30:41.57 ID:
結局のところ、どうなったかといいますと。
果南さんが家庭科室から洗濯ハンガーを持ってきてくれました。
その場で陰干しした下着が乾くまでの1時間あまり、私達はバスタオルを巻いただけの姿で、シャワールームの脱衣場で過ごすことになりました。
その間私とよっちゃんが二人きりで何をしていたか、ですか?
流石に、恥ずかしくて言えません。

……だって、あれだけのことをした後で、お互いの髪をタオルドライしあってたらそれだけで1時間が経ってしまったなんて。
そんなこと、恥ずかしくて言えないじゃないですか。

(おしまい)