希「ほんまや！　ベストが逆になってる」

絵里「まさか言われるまで気づかないなんてね……やっぱり希は天然」

希「いやいやいや、気づいてたなら言ってよ。ずっと前後ろ逆に着てたなんてめっちゃ恥ずかしいやん！」

絵里「とにかく、希は意外なところで抜けてるのよ」

絵里「もっと気をつけなさいよね？」

希「納得いかん……」ﾇｷﾞﾇｷﾞ

絵里（私も今気づいたなんてことは黙ってよう）

希「聞いてにこっち。えりちが人のこと天然や言うてくるんよー」

にこ「今さら言ってもしょうがないわよね」

希「そうそう。ウチが天然なんは今に始まったことじゃ……」

希「って、誰が天然や！」

にこ「おっ、ナイスノリツッコミ」ｽｯ

希「？」ｽｯ

ﾊﾟﾝｯ

にこ「いぇーい」

希「なんでハイタッチさせられたん！？　ウチはなーんも嬉しくないからっ」

にこ「いっそのこと天然キャラにでもしちゃったら？」

希「いやや。ウチはお節介焼きの優しいお姉さんキャラで通ってるんや」

希「こーなったらμ'sのみんなに聞いて回って、ウチが天然じゃないことを証明したる！」

にこ（その発想がもう天然なのよ）ﾌﾟｯ

にこ「精々頑張りなさい」

希「うん！」

希「穂乃果ちゃん見っけ。おーい」

穂乃果「希ちゃん！」ｷﾞｭ-

希「おやおや、今日の穂乃果ちゃんは甘えんぼさんやね」

希（やばいめっちゃ可愛い）ﾃﾞﾚﾃﾞﾚ

穂乃果「あのねぇ、希ちゃんにお願いしたいことがあるんだぁ」

希「何でも言うてみ。お姉さんが力になったる！」

穂乃果「新作のパンが今日からコンビニで入荷するんだけど、生徒会の仕事で買いに行けなくて……」

穂乃果「いつもならそろそろ売り切れちゃう頃なの！　だから！」

希「任しとき。いつも頑張ってるご褒美や。そのパンを買ってきてあげる！」

穂乃果「本当！？　やったぁー！」

海未「駄目です」

穂乃果「げっ、海未ちゃん！」

海未「仮にも上級生に対してパン買ってこいなどと……呆れました」

希「言われてみればウチ、パシられてるやん！」

穂乃果「ギクッ」

希「もう怒った。これはお仕置きせんといかんなぁ」

ﾜｼｯ

穂乃果「ひぃっ！　ごめんなさぁいー！！」

海未「希も希です。いつもいつも穂乃果を甘やかして……」

希「違うねん。あの子な、ウチに抱きついて油断させよるんよ」

希「普通にメロメロになるやん？　もはや洗脳やね。スピリチュアルやわぁ」

海未「単に希が天然なだけです。しっかりしてください」

希「そんな」ｶﾞ-ﾝ

希「えりち、にこっち、海未ちゃん……早くもμ'sの内3人に天然や言われてしもた」

希「違うと思うんやけどなー」

ことり「あ、希ちゃん！　穂乃果ちゃん見なかった？」

希「やあ。生徒会室に行ってたよ」

ことり「そっか。私も行かなきゃ」

希「その前にちょっといいかな」

希「ことりちゃんに聞きたいことがあるんよ」

ことり「うん？」

希（待てよ……ここでドジったらますますのんたん天然説を裏付けてしまう）

希（頼りになるお姉さんでいるにはどうしたらいいんや）ﾑﾑﾑ

ことり「どうしたの希ちゃん。ことりでよければ悩みごと聞くよ？」

希「あっ、ほんと？　実はみんなに天然やーって言われてしもて……」

ことり「そっかぁ。希ちゃんはしっかり者なのにね」

希「せやろー。もーみんな見る目ないっ。ウチを分かってくれるんはことりちゃんだけや！」

希「悩み聞いてくれてありがと。すっきりしたわ」

ことり「えへへ。希ちゃんの役に立ててことりも嬉しいっ」

希「また部室でな」

ことり「うん。ばいばーい」

希「いやぁ、ことりちゃんは頼りになるなぁ」

希「……ん？」

希「ウチが後輩頼ってどうすんねん……」

希「こんなとこえりちに見られてたらまた天然や言われるね。気をつけよ」

凛「希ちゃんだにゃー！」

希「おや凛ちゃん。花陽ちゃんも一緒やね」

花陽「こんにちはっ」

希「さて、2人に聞きたいことがあるんよ」

希「ウチは天然じゃないよね？」

凛「それはどうかにゃー」

花陽「ついこないだも手に持った消しゴムを無い無い言って探してたよね」ｸｽｯ


希「ち　が　う　よ　ね　？」


りんぱな「はい希ちゃんは天然じゃありません」

希「2人ならそう言ってくれると信じてた！　ありがとうなぁ」

凛「言わされた感が半端じゃないにゃ……」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

花陽「すごく怖かったよぉ……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

希「震えることないやーん」

希「よしよし、2人ともいい子やよ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

凛「ん……えへへ」

花陽「なんだか落ち着くよぉ……」

希「さて、μ'sメンバー9人の内、のんたん天然じゃない派はウチも含めて4人」

希「あとは真姫ちゃんと穂乃果ちゃんの意見を聞いて、ウチの大勝利で終いやね」

希「真姫ちゃんどこやー」

真姫「なによ」

希「おった」

希「突然だけど真姫ちゃん。ウチが質問するから、大人しくイエスとだけ言うんや」

真姫「嫌よ。何のつもりか知らないけど、誰かに私の答えを決められる筋合いは無いわ」

真姫「自分の気持ちは自分で決めたいの」

希「真姫ちゃん……」

希（どしたんめっちゃカッコいい）ﾎﾟｯ

希「あんな、ウチを天然や言ってくるメンバーがいてんねん」

希「ウチは天然じゃない……よね？」

真姫「なんだ、そんなこと」

真姫「天然っていうものがよく分からないから……」

希「そやねぇ。天然って言うんは」

希「お腹が空いた時、パン食べるかご飯食べるか迷った結果、ラーメンを食べてしまう……っていう感じ？」

真姫「ごめんなさい。分からないわ」

希「そっか……」

希「真姫ちゃんはグレーやな」

希「となると4勝3敗1分かぁ」

希「負けることは無くなったんはいいけど、やっぱりウチが天然やないことを証明したい！」

希「最後はμ'sのリーダー穂乃果ちゃんの意見を聞きに行こ」

希「はっきり言って楽勝やね。穂乃果ちゃんはいつもウチの味方やし」

希「さあ、生徒会室へゴー！」


生徒会室

穂乃果「あははっ。希ちゃんは天然だよー」ｹﾗｹﾗ

希「裏切られた気分やわ」

海未「ひょっとして私が天然って言ったことを気にしていたのですか……？」

希「別にそんなことないけど」

希「ウチって頼れるお姉さんキャラやん？　どこが天然なん！って思ってね」

海未「気にしてるじゃないですか」

穂乃果「希ちゃんの天然エピソードならいくらでも語れるよ」

希「なにぃ……？」ﾋﾞｸｯ

穂乃果「自動じゃないドアに思いっきりぶつかったり」

穂乃果「パンをあげたら袋ごとかぶりついたり」

穂乃果「間違ってにこちゃんの衣装着たら『めっちゃきつい！太ってしもたぁ！』って大騒ぎしたり」

ことり「そんなこともあったね」ｸｽｸｽ

穂乃果「七並べやってるのにいきなり『フルハウスや！（ﾄﾞﾔｧ』って言って手札を公開したり」

穂乃果「男性用トイレから出てきたと思ったら『なんか変なオブジェがあったわぁ』って言ったり」

穂乃果「穂乃果の熱を計ろうとして顔を近づけたらうっかりキスしたり」

海未「は？」

希「分かった！　この話はやめよう！」

希「4勝4敗1分。完全なドローや」

希「計算とも天然とも取れるウチのスピリチュアルキャラがここに証明された！　もうそれでいいやん？」

海未「よくありません！！　よくも穂乃果のふぁ、ファーストキッスを……！！」

穂乃果「穂乃果は気にしてないよ」

海未「私が気にするんです！！」

希「今の内に退散や。くわばらくわばら」

ことり「どこへ行くのかな？　希ちゃん」ﾆｺﾆｺ

希「ひぃ……」

翌日

希「いやぁ、昨日はえらい目に遭ったよ」

絵里「希は天然だからね」

希「また言ってる。どうしてそんなにウチのことを天然にしたがるん」

絵里「したがるもなにも、事実だもの？」ｸｽｸｽ

希「……そっちがその気ならウチにも考えがあるよ」

希「えりちがポンコツやって言いふらしてやる！」

絵里「やめなさい！！」

絵里「ただでさえ噂の火消しに精一杯なのに、相棒の口からポンコツだなんて言いふらされたら……！」

希「よーし、まずはみんなにえりちのポンコツエピソードを聞いてもらおか」

希「例えば学園祭の時、ロミジュリの演劇クライマックスで本当にチューしてきたこととか」

絵里「だってムードたっぷりだったから……とにかくやめてええええーっ！！///」


おわり

短いですが終わります
僕はスカートの中にカメラを覗かせちゃうようなのんたんが好きです
ありがとうございました！

乙乙
最後のポンコツエピソードもっと聞きたいぞ

最高でした乙です

おつ
癒された

ポンコツ編、はよ

大儀であった

乙
こういうスレを待ってたんだ