凛「ふんふ～～ん｣ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ

凛「たまにこの姿に戻ると気持ちいいにゃ～～」

凛「公園だ、ちょっぴりお昼寝しよっかな？」

凛「あのベンチの下で……よいしょっ」

凛「ごろーん」

凛「ふぅ～っ」

絵里「……｣ｷｰｺｷｰｺ

希「暑いなぁ」

にこ「………｣ｷｰｺｷｰｺ

希「なんで二人ともブランコしてるん？」

にこ「懐かしいじゃない、これ｣ｷｰｺｷｰｺ

絵里「結構怖いわね………｣ｷｰｺｷｰｺ

希「押したるで、えりち、よいしょ｣ｸﾞｲｯ

絵里「ああーっ！ちょっ！ちょっと！｣ｸﾞｫﾝｸﾞｫﾝ

希「あははは」

にこ「あーっ……アイスでも食べない？あそこのコンビニで買ってきて……」

絵里「いいわね！それ！そうしましょ！止めて！希！止めて！｣ｸﾞｫﾝｸﾞｫﾝ

希「はいはーい」

にこ「……｣ｼｬｸｼｬｸ

絵里「ガリガリ君ね」

にこ「スイカ味よ」

希「へぇ～」

絵里「にこ、一口ちょうだい」

にこ「えーっ」

絵里「いいじゃない、ちょっとだけ」

にこ「あんまり食べないでよね」

希「えりちの一口、結構大きいから注意したほうがええで？」

にこ「げっ」

絵里「ウソは良くないわよ、ウソは！」

希「あはは」

希「……ん？」

にこ「なに？」

希「椅子の下で猫が寝てる」

絵里「あ、ほんと」

にこ「無防備ねぇ」

絵里「触ってもいいかしら……｣ｿﾜｿﾜ

希「引っ掻かれるでー？暑いし、気が立ってるんと違うかな」

にこ「大丈夫でしょ、アホそうな顔してるし……絵里、そーっと、お腹のあたり触ってみなさいよ」

絵里「……｣ﾄﾞｷﾄﾞｷ

ﾁｮﾝ

絵里「はーっ、ほら！触ったわよ！」

にこ「どこが触ったの！？」

絵里「起こしちゃ悪いじゃない……」

にこ「触るってのはねー、こうやるのよ、こう」

ｻﾜｻﾜ

凛「にゃっ」

にこ「あっ」

希「起きちゃった」

絵里「あーっ、これは間違いなく怒ってるわ」

にこ「なんでわかるのよ」

絵里「こっちを睨みつけてるじゃない」

希「逃げへんのかな？」

にこ「きょとんとしてるわね」



凛(絵里ちゃん、希ちゃん、それににこちゃん……)

凛(……起こされた……もしかして……バレてる？)


にこ「引っ掻かないでよねーっ」

絵里「今にも飛びかかりそうよ」

希「そうかなぁ、なんか固まってるけど」

絵里「にこ、近づいてよ」

にこ「嫌よ、危ないじゃない！」

絵里「危なくないわよ……よく見たら優しい目をしてるわ」

にこ「だからテキトーなことばっか言わないでよね！」


凛(……バレてなさそう)

凛(……じゃあ、いっか)

凛「にゃっ！！」


ﾋﾟｮﾝ


にこ「わっ！」

絵里「にこっ！！」

にこ「わーっ！ちょっと！！ちょっと！」

希「暴れたらあかん、暴れたら！」

にこ「足にくっついてる！｣ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

凛「にゃっ、にゃっ」

希「……遊んでるんかな？」

絵里「にこ、大丈夫そうよ」

にこ「……本当に？」

希「ちっちっち、ほーら、こっちおいで」

凛「にゃー」

希「ほら、大丈夫」

にこ「……飛びかかって来たわよ、さっき……びっくりしたわ」

希「よしよーし｣ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

凛「なーっ」

希「人に慣れてるなぁ」

絵里「私もいいかしら……」

希「優しくしたらいけるよ」

絵里「……｣ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

凛「にゃー」

絵里「初めて触ったけど……あったかいわね」

にこ「さっきは良くもビビらせてくれたわね｣ﾍﾟｼﾍﾟｼ

凛「ふーっ」

希「叩いたらあかんって！怒るから！」

凛「……にゃーっ」

ｺﾞﾛﾝ

にこ「わっ」

希「にこっちの膝が気に入ったみたい」

にこ「ちょ、ちょっと、どきなさいよぉ」

絵里「いいんじゃない？似合ってるわよ」

希「写真撮るな～」

にこ「あんた、おしっことかしないでよね」

凛「……」

にこ「聞いてる？」

凛「にゃー」

にこ「うーっ……」

希「はいっ、チーズ」

にこ「にっこにっこにー！」

希「それはいいから」

にこ「なんでよ」

にこ「こいつ、なんか誰かに似てない？」

希「そうかなぁ」

絵里「猫と言えば凛じゃないの？……オレンジだし、この子」

にこ「凛ねぇ……よしっ、じゃああんたの名前は凛よ！」

凛(えーっ……)

絵里「嫌そうな顔してるわよ」

希「うちも思った」

にこ「猫に表情もないでしょ、ほーら凛、アイス食べる？」

希「あかんって、変なものあげたら」

にこ「じょーだんよ」

ﾋﾟｮﾝ

絵里「えっ！？」

希「おーっ」

絵里「ちょ、ちょっと！！」

にこ「頭に乗ったわね、ナイスバランス」

絵里「降ろしてよ、希ぃ」

希「これも撮っとこーっと｣ﾊﾟｼｬ

絵里「希ぃ、はやく！」

希「帽子みたいで可愛いで？」

にこ「そーね」

絵里「ちょっと、ちょっと……」

にこ「私も撮っとこーっと｣ﾊﾟｼｬ

絵里「……」

凛「にゃー」

希「んーっ、そろそろ映画の時間やね」

にこ「もう入っとく？」

絵里「中は涼しいし、入りましょ」

希「じゃあ、凛ちゃんとはお別れやね」

にこ「ほーら、降りなさい、よいしょ」

凛「にゃああ」

にこ「ほんと似てるわね……」

凛「……」

絵里「にこ、早く」

にこ「……うーん」

絵里「早くーっ！」

凛「行っちゃった」

凛「映画観に行くのかな、三人とも、仲良しだね……」

凛「この姿で友達に会うの初めてだから、楽しかったにゃー」

凛「暑くなってきたし、もうちょっと涼しいところさがそーっと……」

凛「ふんふ～ん」

海未「たくさん買ってしまいました……」

ことり「でもどれも似合うと思うよっ」

穂乃果「ことりちゃんが言うなら間違いないよね！」

海未「ありがとうございます……」

ことり「えーっと……三時だね」

海未「三時ですか」

穂乃果「おやつの時間だね！おやつ！」

ことり「そうだね、何かたべよっか」

海未「この辺り何かありましたっけ」

穂乃果「カキ氷食べたい、カキ氷！」

ことり「どこに売ってるかなぁ？」

穂乃果「あったよ！あった！」

海未「本当ですね」

穂乃果「私イチゴね」

ことり「私はレモンにしようかな」

海未「うーん……迷いますね」

穂乃果「海未ちゃんはハワイアンブルーでしょ？」

海未「な、なんでですか」

ことり「いいと思うなぁ」

穂乃果「そうだよ！ことりちゃんが言うなら間違いっ！」

海未「まぁ……それじゃあ、ハワイアンブルー……これってなんの味なんでしょうか……」

凛(あっ)

凛(こんどは二年生の三人だ)

凛(よーしっ、近づいちゃえ)

凛「にゃー」

海未「おや」

穂乃果「どうしたの？」

海未「猫です」

ことり「かわいい～」

穂乃果「カキ氷欲しいのかな？」

海未「違うと思いますけど……」

凛「にゃー」

ことり「えへへ」

海未「こ、ことり、いけませんよ野生動物に触っては何があるかわかりません」

ことり「大丈夫だよぉ｣ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

凛(気持ちいいにゃー)

海未「ちゃんと手は洗いましょうね……」

穂乃果「私も触りたーい！」

ことり「あれ、にこちゃんからメール来てる」

穂乃果「どうしたの？」

ことり「……絵里ちゃんの頭に猫が乗ってる写真」

凛(ありゃ)

海未「あれ、それってこの猫じゃないですか？」

穂乃果「えーっ、似てるけど違うでしょ」

ことり「凛ちゃんって名前つけたらしいよ」

穂乃果「凛ちゃん？あははは」

海未「やっぱりこの猫じゃないですか？なんだか、毛の模様や顔つきが似てますよ」

穂乃果「映画館、ここの近くだったから……もしかしたら一緒の猫かもね」

ことり「へぇ～、そんなことあるんだぁ」

ことり「海未ちゃんはい、抱っこしてあげて」

海未「そ、そんな」

ことり「絵里ちゃんも頭に乗せてたんだし、大丈夫だよ」

凛「にゃー」

海未「……」

ことり「はい、どうぞ」

凛「にゃー」

穂乃果「おっ、海未ちゃんと凛ちゃんのツーショット！私も写真とろーっと｣ﾊﾟｼｬ

ことり「にこちゃんに送ろっか｣ﾊﾟｼｬ

海未「ううう早くしてください」

海未「よいしょっと……」

凛「にゃーっ」

ﾀﾀﾀﾀﾀﾀ

海未「あれ、逃げちゃいました……」

穂乃果「凛ちゃん、ばいばーい」

ことり「かわいかったね～」

海未「そうですが、服に毛が……」

穂乃果「取ってあげるよ～」

ことり「また会えるかなぁ」

海未「ひょっこり現れそうな、そんな気がしますね……」

凛(思い出した、そういえば、宿題残ってるんだった……)

凛(面倒だけど、また人間にならなくちゃ)

凛(楽しいから良いけどねー、友達もたくさん出来たし……)



ﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀ



花陽「あっ」

凛「にゃっ」

花陽「凛ちゃんだぁ！」

凛「にゃーっ」

花陽「お散歩？｣ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

凛「にゃー……」

花陽「今からおうち帰るの？

凛「にゃあ」

花陽「ふふっ、それじゃまた明日、学校でね」

凛「にゃー」

凛｢｣ｷｮﾛｷｮﾛ

凛「誰もいない……」

凛「よし、変身っ」


ﾎﾞﾜﾜﾝ


凛「んんーっ……」

凛「はぁっ、一気に背が高くなるとフラフラしちゃうよ」

凛「さあて、おやつ買って帰ろっと」

凛「んーっ……」

真姫「あら、凛」

凛「真姫ちゃん！」

真姫「どうしたの？」

凛「今から宿題やるから、お供におやつを買いに来たの」

真姫「宿題って……いつのやつ？溜めないでコツコツやりなさいよ」

凛「はいはーい、真姫ちゃんは何買いにきたの？」

真姫「……まぁ、私もおやつなんだけど……」

凛「あはは、一緒かぁ」

真姫「そうだ、今日みんなが凛みたいな猫に会ったって言ってたわよ」

凛「へぇ」

真姫「ほら、写真」

凛「ふぅん」

真姫「何よ、無感動ね」

凛「うーん、凛には似てないんじゃないかな」

真姫「そうかしら……私も似てると思うけど。特にこのあたりとか……」

凛(……似てるのかなぁ……)

凛(顔が似てるのかな、それとも雰囲気かなぁ……)

凛(うーんっ……なんだろ……)

ﾑｽﾞﾑｽﾞ

凛(あれっ)

ﾑｽﾞﾑｽﾞ

凛(えっ、えっ……何で！？)

真姫「どうしたの？」

凛「あ、いや、何でもないよ、何でも！」

真姫「……？」

凛(意識しすぎちゃったのかな、はやく引っ込めないと……)

真姫「なんかお尻のあたり動いてるわよ？生き物でも入ってるの？」

凛「えーっ、いや、あははは」

真姫「？」そーっ

凛「だ、だめ！」

ﾋﾟｮｺﾝ

真姫「……」

凛(ああ～っ……)

真姫「……何これ？」

凛(……)

真姫「……尻尾？」

ﾊﾞｯ

凛「あはは、衣装だよ、衣装！前のライブのやつ！」

真姫「なんで今着てるの？」

凛「まあ、いろいろあってね、いろいろ！」

真姫「……動いてたけど」

凛「気のせいだよ、気のせい！」

ﾋﾟｮｺﾝ

凛「……あれ？」

真姫「耳……」

凛「わーっ！！」

凛「……」

真姫「それで、どういうこと？」

凛「目の錯覚だにゃー……」

真姫「ちゃんと見たわよ、この目で」

凛「うう」

真姫「どういうことなの？」

凛「……怖がらない？」

真姫「凛なんか怖くないわよ」

凛「……じゃあ」

凛「内緒にしてね、知ってるの、かよちんだけだから……」

真姫「花陽は知ってるの？」

凛「うん、かよちんは知ってる……」

真姫「……何者なの、凛って」

凛「猫だよ」

真姫「猫って」

凛「普通の猫だよ……フツーの……」

真姫「フツーの猫は人間になったりしないと思うんだけど？」

凛「……ちょっと普通じゃないかも」

真姫「でも、幼稚園にも小学校にも通ってたんでしょ？」

凛「うん」

真姫「どういうことなの？」

凛「かよちんが、拾ってくれたんだ」

真姫「花陽が？」

凛「うん、凛のこと」

真姫「……捨てられたの？」

凛「凛は産まれたばっかりだから覚えてないけど……多分」

真姫「……」

凛「それで、かよちんのこと、大好きになって……友達になりたくて」

真姫「……ふぅん」

凛「気がついたら……なってた。としか言いようがないかな……」

真姫「へぇ……不思議なこともあるものね」

凛「怖くないの？」

真姫「なんで凛を怖がらなくちゃいけないのよ」

凛「本当に？」

真姫「当たり前でしょ」

凛「……」

真姫「……おやつ、何買ったの？」

凛「チョコだよ」

真姫「チョコね……」

凛「真姫ちゃんは？」

真姫「グミよ」

凛「グミ、あはは」

真姫「何笑ってるの」

凛「かわいいから」

真姫「……そう？」

凛「うん」

真姫「………もうっ」

凛「真姫ちゃん」

真姫「どうしたの？」

凛「明日も朝練する？」

真姫「やるわよ、待ち合わせはいつも通り、寝坊しないようにね」

凛「……うん！」

真姫「じゃあ、また明日ね」

凛「ばいばーい！」

真姫「ばいばい」

凛(……楽しいよ)

凛(こんなにも、楽しい)

凛(明日もまた楽しくなる)

凛(ドキドキして、眠れないよ)

凛(……)

「にゃー」

凛「あっ」

「にゃぁ」

凛「ふふっ、こんにちは」

「……｣ﾄﾄﾄﾄ

凛「……逃げちゃった」

凛「……今は、人間だもんね」

凛「……えへへ……」

次の日


希「それでもう、泣いて泣いて……うぅ～！」

海未「いい映画だったんですね」

にこ「希が泣きついてくるから集中出来なかったんだけど」

絵里「私もウルッと来たわね」

花陽「いいなぁ、私も見たいですっ」

ことり「じゃあ、今度はみんなで何か観に行く？帰りにおやつ食べて！」

凛「それ、さんせー！」

真姫「いいじゃない」

穂乃果「よぅし、じゃあ計画しよう！今度の日曜に……」


花陽「凛ちゃん」

凛「どうしたの」

花陽「……ふふっ」

凛「……えへへ」







おわり

素晴らしい

この設定でもうちょっと見たいと思ってしまう

ほのぼのだね

これは良いりんぱな
おおかみこどもの雨と雪みたいな感じでホロリと来た

乙

凛猫と普通に会話するかよちん可愛い

あぁ…浄化される…満たされていく…
(´・ω:::::.... .ｻﾗｻﾗ

お前…消えるのか…？