1:2015/05/11(月) 23:46:38.18 ID:
「…」

「やはり、難しいな…」


巷で人気のファッション誌という物を買って来たが

読んでみても良くわからない


あまり、ファッションにこだわる私ではないからか

書いてある内容も

載っている写真も

どれもいまひとつ、ピンとこない


「…まあ、私に似合わないだけかも知れないが。」


「…」


「しかし…」
2:2015/05/11(月) 23:47:13.75 ID:
「いや、だが…」

「いきなり、全部を変えるのもおかしいな。」

「どうするべきか…」



元々、ファッションに疎い私だ

いい発想が思いつかない


「…気晴らしに、少し外に出てみるか。」


なぜここまで服装に興味が湧いたのか

街を散歩するついでに、思い返してみよう


…そう、確かあれは

先日の、オフの日だったか
3:2015/05/11(月) 23:47:42.18 ID:
-----



「…」


この日私は、今日と同じように

特にやる事が無く、街を歩いていた


A-RISEは普段の練習量が多い代わりに

週に一回、完全休養日を取り入れている

この日もその休養日だったので

街に出て来たのだが…


「…あれ?」

「A-RISEの…統堂英玲奈さん?」


単に、ファンに声をかけられたのだと思った

この日は特に変装もしていなかったので

こういった事はあるだろう、とは思っていたが…
5:2015/05/11(月) 23:48:15.46 ID:
「…あ、やっぱり英玲奈さんだ!」

夕暮れとは相対するような笑顔で

彼女は私に声をかけた


「…高坂穂乃果、か。」

「それに、南ことりと園田海未も。」


「ご無沙汰しています。」

「お久しぶりです♪」


彼女たちμ'sのメンバーとは

以前と比べて、親睦が深まった気がする


…何より、彼女達と話していると面白い

ツバサもあんじゅも、彼女達を気に入っている
6:2015/05/11(月) 23:49:00.17 ID:
「今日は、どうしたんですか?」


「…ああ、暇だったんでな。」

「少し、街を歩いてみようかと…」


「それじゃ、この後予定は?」


「いや、特に無い…」


「よかったら、一緒にお話ししませんか?」


「ほ、穂乃果ちゃん…?」


「だって、せっかく会えたんだし!」


「穂乃果、それは流石に…」


「私は、構わないが。」


「い、いいんですか?」


「ああ。」

「私も、君たちに興味があるからな。」
7:2015/05/11(月) 23:49:25.50 ID:
-----


近くのカフェに入って、話をした


あまり話が得意とは言えない私だが

彼女達は楽しそうに聞いてくれた


それが、なぜだか心地よくも感じてしまう



「…それにしても。」

「英玲奈さんって、格好いいですよね。」


「…?」


「服装も、クールな感じで。」

「なんて言うか、こう…」

「クールビューティー…だっけ?」

「すらっとして、きっちりしてて。」

「A-RISEの、海未ちゃんって感じ!」



「わ、私なんかと比べるのは失礼だと思うのですが…」
9:2015/05/11(月) 23:50:06.75 ID:
「…いや。」

「私は昔からこんな感じだったから。」

「他にどうしたら良いのかが、わからないんだ。」


「…そうなんですか?」


「ああ。」

「私も、一応女子だからな。」

「ある程度の興味はある。」


「だが、私はそういうのに疎くて…」

「これ以外に、着こなし方を知らないんだ。」


「うーん…」

「意外と、似合うと思うんだけどなあ…」


「そう言ってくれると嬉しいな。」

「あまり、実感は湧かないが…」
10:2015/05/11(月) 23:50:58.81 ID:
「スカートとかは、履かないんですか?」

「衣装じゃ、よく見ますけど…」


「君の言う通り、衣装では着るんだが…」

「自分では、ひとつも持っていないんだ。」


「えーっ!」

「もったいない!」


「…こら、穂乃果。」


「ふふ、別にいいんだ。」


「でも、格好いいって言っておいてなんだけど…」

「きっと、似合うと思います!」

「…ね?海未ちゃん。」


「そこは、本人の好みもあると思うんですが…」
12:2015/05/11(月) 23:52:17.97 ID:
「…でも、そうですね。」

「今日話してみて、感じた事を言うならば。」


「可愛い私服も、見てみたい気はしますね。」


「…」


「あ、その…」

「もし、気に障るような事を言っていたらすみません…」


「…いや、構わない。」

「だが…」

「本当に、似合うのだろうか。」


「絶対、似合いますよ!」

「ね?ことりちゃん!」


「うん♪」

「きっと、可愛いと思います♪」


「…そうか。」
13:2015/05/11(月) 23:52:54.10 ID:
-----


あの後、時間がきて帰ったが

あれから、街で見る女子たちの服装が気になりだしたのも事実だ


…だが、本当に私に似合うのだろうか


…それよりも、自分に似合う物が

一体どういう物か、まだ分かってはいない


「…前途多難だな。」


思わず、口から出たその言葉に

後ろから、声がかかる



「…どうしたんですか?」


「君は…」
14:2015/05/11(月) 23:53:29.30 ID:
-----


「まさか、今日も会うとは思わなかった。」


「…私もです。」

「先日は、穂乃果がすみませんでした。」


「私も、楽しかったからな。」

「そちらも楽しんでもらえたなら、何よりだ。」


「…そうですね。」

「私も、英玲奈さんと話せて、楽しかったですよ。」


「それなら、何も問題はない。」



「…ところで。」

「差し支えなければ、先ほどの事を伺ってもよろしいですか?」


「…ああ。」

「口に出ていたとは、気が抜けていたな。」
15:2015/05/11(月) 23:53:54.18 ID:
「…いや、たいした事ではないんだ。」

「先日、服装の話をしただろう?」


「あれから、ファッション誌なんかも買ってみたんだが。」

「結局、よくわからなくてな。」


「…そうでしたか。」


「考えても何も思いつきそうになかったから。」

「こうして外に出てみたんだが…」

「まさか、聞かれていたとは。」


「…すみません。」


「気にする必要は無い。」

「私の落ち度だ。」
16:2015/05/11(月) 23:54:21.47 ID:
「…」


「それに、いきなり服装を変えても。」

「ツバサ達に、変に詮索されてしまいそうだしな。」

「もう少し、このままでもいいかと思っていた所だ。」


「そうでしたか…」


「見せてやれなくて、すまないな。」


「い、いえ、言ってみただけですので!」


「…ふふ。」

「そんなに、かしこまらなくてもいい。」


「…はい。」
17:2015/05/11(月) 23:54:48.66 ID:
「…では、こういうのはどうでしょう。」


「…?」


「服装は好みもあるでしょうし。」

「いきなり変えると、確かに詮索されるので。」


「…髪型を、変えてみるとか。」


「髪型…?」


「ええ。」

「長髪なので、少し変えただけでも印象は変わると思います。」


「そういった所から、徐々に変えていってみては?」


「…なるほど。」
18:2015/05/11(月) 23:55:09.66 ID:
「私も、よくことりや穂乃果に髪をいじられますので。」

「そういうのも、悪くないと思います。」


「…そうだな。」

「確かに、髪型を変えてみるのはいいかもしれない。」


「少しでも、役に立ったなら嬉しいです。」


「…では、どんな髪型がいいだろうか。」


「そうですね。」

「私が、よくことりにされるのは…」






「ポニーテール、ですかね。」
36:2015/05/12(火) 20:32:08.91 ID:
-----



「…よし。」


今日は練習日なので

レッスン場の扉を開け、中に入る



「おはよう、2人とも。」


「おはよう、英玲奈…あら?」


「英玲奈、その髪どうしたの!?」


「ああ…いや。」

「今日も、暑いからな。」

「ちょっとした、気分だ。」


「…変だろうか?」



「ううん、すっごくカワイイよ♪」


あんじゅが、笑顔で褒めてくれる
37:2015/05/12(火) 20:32:41.13 ID:
「…でも、めずらしいわね。」

「どういう心境の変化かしら?」


「…別に、たまたまだ。」

「首元が、涼しくてな。」


「…見苦しいなら、外そうか?」



「…いいえ?」

「とても…似合ってるわ、英玲奈。」


「…そうか。」


似合っている…か

そう言ってもらえるなら


…悪くないのかもしれない
38:2015/05/12(火) 20:33:12.70 ID:
-----



「…ふう。」


今日の練習を終え、帰り道

なぜだか今日は、いつもより動けた気がする


…なぜだろう?


そんな事を考えていると

近場の公園にたどり着いた


「…」


「やはり、涼しいな。」


持ち上がった髪が、今まで隠れていたうなじを晒す

秋風がそこに当たり、火照った体を冷ます


「…悪くない。」





「…ええ、似合ってますよ。」
39:2015/05/12(火) 20:33:45.65 ID:
「…園田海未か。」


「…はい。」

「練習帰りですか?」


「…ああ。」


「お二人からは、何か?」


「…いや。」

「似合っている、と。」

「…そう言われた。」


「それは、良かったです。」

「もちろん私も、そう思いますよ。」


「とても、似合っていると思います。」


「…そうか。」
40:2015/05/12(火) 20:34:21.21 ID:
「…?」

「嬉しくはないのですか?」


「嬉しい…?」

「…ああ、いや。」


「これでも、喜んではいるんだ。」

「今までは、こういう事をした事が無かったし。」

「着る服も、このスタイルも。」


「…私らしい、としか言われなかったからな。」


「英玲奈さん…」


「…だから、なんと言うか。」

「どう表現していいのか、分からないんだ。」

「戸惑っている…というのが。」

「今の本音だろう。」


「…そうですか。」
41:2015/05/12(火) 20:34:58.27 ID:
「嫌な思いをさせたなら、謝ろう。」

「どうも、感情表現が苦手なんだ…」


「い、いえ…」

「…」

「私も、得意な方ではないので。」

「なんとなく、分かります。」


「…そうか。」


「…ですが、今はっきりと言える事は。」


「…?」


「その髪型は、英玲奈さんに似合ってますよ。」


「…ありがとう。」
42:2015/05/12(火) 20:35:26.55 ID:
-----


自宅で夕食を食べた後

日課のトレーニングを終え

入浴後のストレッチをする


「…長いな。」


ゴムで髪をまとめて、それを作る

首元が、涼しくなる


「似合っている…か。」

目の前にある姿見に、自分のそれを写してみる


「…」


「明日も…やってみるか。」


束ねた髪を解き、布団に入る


「明日も…」

「…」


「寝よう。」
43:2015/05/12(火) 20:36:25.99 ID:
-----



「おはよう。」


今日もまた、扉を開けて中に入る


「おはよう、英玲奈。」

「今日も、それなのね。」


「…ああ。」


「うんうん、いいと思う。」

「似合ってるもの♪」


…また、言ってもらえたようだ

彼女には、感謝しないとな


「…さあ、始めましょう。」


「…ああ、そうだな。」
44:2015/05/12(火) 20:36:52.40 ID:
-----




「…あ、英玲奈さん!」


「久しぶりだな、高坂穂乃果。」

「…それに、2人も。」


「お久しぶりです♪」


「今日も、お休みなんですか?」


「ああ。」

「また、街を見て回ろうと思ってな。」


「…ふふっ。」


「どうした?」


「…海未ちゃんから、聞いてた通りです。」

「似合ってますよ、ポニーテール。」


「…そうか。」

「ありがとう。」
45:2015/05/12(火) 20:37:30.84 ID:
「良かったら、今日は一緒に見て回りませんか?」


「一緒に?」


「はい!」

「これから、服を見に行く所なんです。」

「一緒に、どうですか?」


「服か…」


「きっと、今の英玲奈さんなら。」

「スカートも、似合うと思いますよ?」


「スカート…」


目線をやると

園田海未も、微笑んでいた


「…では、付き合おう。」
46:2015/05/12(火) 20:38:00.23 ID:
-----


「似合ってますよ、すごく!」


彼女達に連れられて

街中の、カジュアルショップに立ち寄る


「…そうなのか?」


南ことりの選んだ服を、着回してみる


「じゃあ、次はこっちのキュロットスカートを…」


「…ああ、着てみよう。」


ワインレッドのそれを手にとり、試着室に入る


「なかなか…際どいな。」




「…どうだろうか?」


カーテンを開いて、3人に見せてみる
47:2015/05/12(火) 20:38:30.73 ID:
「すっごく可愛いです♪」


「やっぱり、ことりちゃんセンスいいな~。」


彼女達にそう言われ

…少し、自信がついたように感じる


「…君も、そう思うか?」


「…はい。」

「とても、似合ってますよ。」


「…どうやら、見せられたようだな。」


「…!」

「覚えていたんですね。」

「可愛い服が、見てみたい…と。」


「…ああ。」

「まだ私には、よく分からないが。」

「君たちが言うなら、これはきっと可愛いんだろう。」
48:2015/05/12(火) 20:38:58.37 ID:
「それでは、買ってくるか。」


「…え?」

「全部ですか?」


「…ああ。」

「あまり、趣味もないから。」

「こういう時に使った方がいいだろう。」


さっきまで着ていた服を整え、レジに向かう


-----


「…今日は、色々とありがとう。」

「良い経験になった。」


「こちらこそ、楽しかったです!」


「今度は、その服を着て会いましょうね♪」
49:2015/05/12(火) 20:39:42.43 ID:
「…ああ、もちろんだ。」

「とても有意義な時間を過ごせた。」

「改めて、礼を言う。」


「…ありがとう。」



「いいんですっ。」

「色んな英玲奈さんが見れて、楽しかったです。」


「…そうか。」

「それでは、また会おう。」

そう告げて、私は家路に着いた
50:2015/05/12(火) 20:40:29.43 ID:
-----


「それにしても、英玲奈さん可愛かったね!」


「うんうん♪」

「何でも素直に着てくれて、嬉しかったなあ~♪」


「…」


「…海未ちゃん?」


「…ああ、いえ。」

「なんでもありませんよ。」


「…そう?」


「ええ。」

「とても、可愛らしかったですよ。」


「だよねー♪」
51:2015/05/12(火) 20:40:56.17 ID:
-----



「…英玲奈。」


「どうした?」


「なんだか最近、ご機嫌ね。」


「…そうか?」


「ええ。」

「何かあったの?」


「…いや、思い当たらないな。」


「その髪型にも慣れて来たし…」

「いっそ、もっと可愛くなっちゃう?」


「…ああ、それもいいかもな。」


「…へっ?」
52:2015/05/12(火) 20:41:28.97 ID:
ご機嫌…か

特に、変わったつもりは無いのだが…



「…それでは、今日はここまでだな。」

「私は先に上がらせてもらおう。」


「…お疲れ、2人とも。」


「お疲れさま、英玲奈。」


2人に告げて、レッスン場を出る







「…ねえ、ツバサ。」


「心配しなくても、大丈夫。」

「英玲奈なら…きっと。」
53:2015/05/12(火) 20:42:01.51 ID:
-----



「…」


首元の涼しさにも、慣れて来た

秋風とは、こんなにも気持ちのよい物だったか


自然と、口角が上がるのを感じる

観客やカメラの前とは違う


…ごく、自然に



「…ふむ。」


自分で、頬に触ってみる

一体、自分に何があったのか


…まさか、自分の事が分からないとは



「…英玲奈さん?」
54:2015/05/12(火) 20:42:42.36 ID:
「…最近、良く会うな。」


「…ええ。」

「たまには、悪くないと思いますよ?」


「…そうだな。」


「「…」」


「ああ、そうだ。」


「…?」


「今度、少し付き合ってくれないか。」

「以前の、お礼がしたい。」


「…別に、お礼なんて。」


「…まあ、単なる口実だ。」

「そう気を張る必要は無い。」


「…分かりました。」

「では、楽しみにしていますね。」



そう言って、彼女は笑いかけてくれた
55:2015/05/12(火) 20:44:16.63 ID:
-----



「…いよいよ、明日か。」


先日、園田海未と約束をとりつけてから

今日まで、とても早かった気がする


これは、期待しているのだろうか?

…何に?


自分の心が、自分では掴めずに

今日まで過ごして来た


…だが

相変わらず、あんじゅは褒めてくれた


そっと、髪に手を触れる


「…この髪型にも、違和感を感じなくなったな。」
56:2015/05/12(火) 20:44:52.90 ID:
「…さて。」

「時間も遅いし、そろそろ決めなくては…」


辺りには、先日買った洋服

南ことりの言葉を思い出し、コーディネートする



…そういえば

一番褒めてくれたのは、どれだったか


辺りを見回し、それを見つける


「…よし。」


あの、ワインレッドのキュロットスカート

履いていた寝間着を脱ぎ、それに足を通す


「あとは、上を…」
57:2015/05/12(火) 20:45:20.92 ID:
…たしか

これには、シャツとジャケットが合うと言っていたな


白を基調としたシャツに袖を通し

上から、短めのジャケットを羽織る


「…これで、いいだろうか。」


姿見の前に立って、その姿を見つめる


…可愛いと

似合っていると、言ってくれるだろうか



目の前の姿見に映る姿を、もう一度見る


「…きっと、大丈夫だ。」



どこからどう見ても、世間の女子と同じ…



「同じ…?」
58:2015/05/12(火) 20:45:49.60 ID:
「…ふっ。」


「はは…っ。」



「はははははははははっ…!!」



思わず、声が出た

鏡の中のその姿に向かって、嘲笑する


「…どういう事だ、これは。」


そっと、鏡に手を伸ばす


「お前は…」


鏡の中の人間と、手を重ねる



「お前は一体、誰なんだ…?」
59:2015/05/12(火) 20:46:46.04 ID:
目の前に映るその姿に


『統堂英玲奈』の面影は無い


そこには、街で見る女子高生の姿しか映っていない


「これが…今の私か。」


きっと、可愛いのだろう

これを着ていけば、きっと褒めてもらえる

また、可愛いと言ってもらえる


「…可愛い、か。」


目に映るその姿には

『統堂英玲奈』としての魅力も

A-RISEのメンバーとしてのオーラも感じられない


…ただの、女子高生だ
60:2015/05/12(火) 20:47:09.84 ID:
「…」


「…そういう事か。」



「彼女達には…」

「謝らないとな。」


それらを脱いで、いつもの寝間着に着替える


「…」


鏡に映ったその姿は


…いつもの、私だった


「…らしくないな、統堂英玲奈。」


どさっと、ベッドに横たわる



「明日…か。」
61:2015/05/12(火) 20:47:43.48 ID:
-----


「…おはよう、園田海未。」


「…!」


待ち合わせ場所で、彼女と落ち合う


…幻滅、されないだろうか



「英玲奈さん、その服は…」

「それに…」


髪を下ろし、いつもの服装で

園田海未の前に立つ


「…すまないが。」


「少し、話したい事がある。」
62:2015/05/12(火) 20:48:11.48 ID:
-----



いつもと同じように

レッスン場の、扉を開ける


「…おはよう、2人とも。」


いつもと同じように、2人に声をかける


…いつも通りの、私で


「おはよう、英玲奈。」

「…辞めたのね?」


「…ああ。」


「なんだか、髪下ろしたの久しぶりに見た気がするね♪」


「…2人とも、すまなかった。」


「「…?」」


「やはり私には、こちらの方が合っているよ。」
63:2015/05/12(火) 20:49:01.51 ID:
「確かに、その方が英玲奈らしいかな?」


「あんじゅの、言う通りね。」

「でも…ふふっ。」

「なんだか、今まで以上にご機嫌ね♪」


「…そうか。」



…確かに、そうかもしれない


これが、私

A-RISEの、統堂英玲奈だ


私は、私達の夢を叶えるためにここにいる

ラブライブに向けて、努力している


…だからこそ

私は私であればいい


ただ、私らしく
64:2015/05/12(火) 20:49:38.59 ID:
「…それでは、始めようか。」

「いつも通り、私達らしく。」


「…ええ、勿論。」

「はーいっ!」


…それでも、いつの日か

夢を叶える事が出来た時


その時は、A-RISEの統堂英玲奈ではなく

ひとりの、女子高生として

可愛くなるのもいいのかもしれない


その時は改めて、教えてもらおう

可愛いと、言ってもらえるように




Fin.
65:2015/05/12(火) 20:51:38.20 ID:
可愛い英玲奈が書きたかったはずなのに
どうしてこうなった…

試験的に書いた物なので
口調とかおかしかったらごめんなさい
読んで頂き、ありがとうございました
66:2015/05/12(火) 20:54:10.08 ID:
A-RISEssはいいものだ

67:2015/05/12(火) 20:58:40.32 ID:
うむ。
スレタイから漂う良SS臭
70:2015/05/12(火) 21:06:12.72 ID:
意外だったけど凄く英玲奈っぽくて良かったイメージだけど
71:2015/05/12(火) 21:08:44.10 ID:
アライズOVAとかないかな
もっと彼女らの素顔を見たい
74:2015/05/12(火) 21:39:15.31 ID:
自分らしくか…
μ'sならスカートを禁忌にしてた凛は
スカートを穿いた自分に目覚めて
そこに自分らしさを感じたのだろうか?
彼女たちの持つアイデンティティについて
色々考えさせる良作だった
79:2015/05/13(水) 00:28:10.75 ID:
英玲奈いいキャラしてるよね
乙!良かった
80:2015/05/13(水) 01:59:59.51 ID:
凛ちゃん出てきた訳ではありませんが
変わることで新しい自分と向き合えた凛ちゃんと
変わることを知ったうえで今のままでいることを選んだ英玲奈
みたいな感じでSS楽しめました