1:2014/11/24(月) 17:53:48.82 ID:
真姫「だってこのお湯熱くてすぐ逆上せそうなのよ」

海未「いくら何でも早すぎです。もっとゆっくり浸かってください」

真姫「じゃあ下から半分だけお湯に入ってるわ。これでいいでしょ?」

海未「風邪ひいてしまいますよ」

真姫「平気よ。私を誰だと思ってるの?」

海未「10秒も温泉に浸かれない大きい子ども。ですかね」

真姫「意地悪」

海未「悔しいならもう少し頑張って下さい」

真姫「もー」 


ザブンッ…











真姫「……それにしても」

真姫「ここから見える景色、凄く綺麗ね」

海未「はい。…ここまで足を運んだ甲斐がありました」
2:2014/11/24(月) 17:55:56.05 ID:
うみまきか


うみまきなのか!
3:2014/11/24(月) 17:56:53.21 ID:
すでにかわいい
4:2014/11/24(月) 18:01:31.01 ID:
真姫「ホント、最初はびっくりしたわ」

真姫「海未から温泉旅行に誘って来るなんて」

海未「すみません。勢いに任せてしまったので」

真姫「まぁ別に良かったけど。丁度空いてたし」

海未「奇跡ですよね。二人共この忙しい時期に予定が埋まっていなかったのは」

真姫「それは僕たちの奇跡、…って所かしら?」

海未「また懐かしい曲名が出てきましたね」

真姫「ちょっと、懐かしいなんて事言わないでよ。まだそんなに経ってないでしょー?」

海未「ふふっ、そうですね。失礼しました」

真姫「そんな考えだとすぐにおばさんになっちゃうわよ?」 ザバァ

海未「どさくさにまぎれて上がろうとしないで下さい。まだ30秒しか経っていません」

真姫「ヴェェェ」 ザバァ
9:2014/11/24(月) 18:12:31.14 ID:
真姫「…お昼過ぎだったかしら?今の時間」

海未「そうですね。お昼ご飯を頂いて数時間経ったくらいです」

真姫「じゃあまだ時間はいっぱいありそうね」 ザバァ

海未「もう限界ですか」

真姫「限界、足だけ中に入れておくわ」

海未「もう…風邪をひかない様に気を付けて下さいよ」

真姫「分かってるわよ」 ザバァ

真姫「ふぅ……涼しい」

海未「……」


ビュウゥゥ……









真姫「……」 ザブン

海未「寒くなりましたか」

真姫「うん」

海未「そうですか」
11:2014/11/24(月) 18:15:25.01 ID:
真姫「…そういえば」

真姫「私達の他にお客さん、誰もいないわね」

海未「そうですね…時期的に予約する人が居なかったのでしょうね」

真姫「まぁ、平日のこの時期に温泉旅行に行く人間なんて余程の暇人だけよ」

海未「普通は働いていますからね……」

真姫「……ちょっと」

海未「あっ、…すみません」

真姫「はぁ……」

海未「……」












真姫「…もう、大学生じゃなくなるのよね」

海未「……はい、そうですね」
16:2014/11/24(月) 18:44:06.53 ID:
真姫「事前研修は順調?」

海未「そんな大それたものではありませんよ。実習の延長の様な感じです」

真姫「ふぅん」

海未「それより、真姫の方は大丈夫なのですか?」

真姫「うーん、まだ分からないわ」

真姫「来年、国家試験を受けて、合格したら研修医になって、それから二年間頑張って…って所ね」

海未「…大変ですね」

真姫「大変なのは最初から分かってたわよ」

真姫「それを乗り越えないと、今までの努力が全部無駄になっちゃう訳だし」

海未「…楽な進路なんて、やはりどこにも無いのですね」

真姫「当たり前じゃない」

海未「……ふぅ」













真姫「…もー、そんな暗い顔しないでよ」

真姫「折角温泉に来たのに肩凝っちゃうじゃない」

海未「す、すみません…真姫と二人だとどうしても愚痴が溢れてしまって…」

真姫「…まぁ、別にいいけど」
18:2014/11/24(月) 18:52:57.74 ID:
この雰囲気いいな
20:2014/11/24(月) 18:59:37.01 ID:
海未「ふぅ…」 ザバァ

真姫「……」 ふにっ

海未「ちょっ……何ですか?」

真姫「…やっぱり、そこまで変わってないわね。高校生の時から」

海未「なっ!?失礼ですよ!ちゃんと変化しています!」

真姫「どのくらい?」

海未「4ミリです!今のが少しキツくなって来たと感じていた所です!」

真姫「一年に1ミリ……ね」

真姫「うん、海未にしては頑張った方だわ。えらいえらい」 ヨシヨシ

海未「もうっ!どこさすって言っているのですかっ!やめて下さい!」 バシャバシャ!

真姫「ちょっとお湯の中で暴れないでっ…!きゃあ!?馬鹿どこ触って!」 バシャバシャ!



ギャーギャー……













真姫「はぁ…はぁ…本当に逆上せそう」

海未「あ、当たり前です……はぁ…はぁ…」
22:2014/11/24(月) 19:05:52.16 ID:
これは何時ものうみまきの人・・・?
23:2014/11/24(月) 19:42:18.88 ID:
ガララッ


海未「…ふぅ、いいお湯でした」

真姫「最後ドタバタしちゃったけど」

海未「誰のせいですか誰の」

真姫「でも元気は出たでしょー?」

海未「もう…」 



シュルシュル…



真姫「…浴衣の着方、上手」

海未「そうですか?普通ですよ」

真姫「着物とか着る機会多いの?」

海未「そこまでは…家元としての行事の際は着ることがありましたけど」

真姫「ふーん」

海未「まぁ日本人なら浴衣は着こなしておきたいですよね」
25:2014/11/24(月) 19:48:12.46 ID:
真姫「……」 パタパタ

海未「扇子、持って来ていたのですか」

真姫「これ、結構気に入ってるのよね」

海未「いいですね…私も持ってきてくれば良かったです」

真姫「そこに備え付けの団扇があるわよ」

海未「いやそれは分かっていますけど」

真姫「暑いなら貰えばいいじゃない」

海未「えーっと…はい、そうですね」 

真姫「……」 パタパタ

海未「……」 パタパタ











真姫「…この感じ」

真姫「温泉旅行に来たわよ。って気分ね」

海未「まぁ、実際に来ているのですけどね」

真姫「そうね」
27:2014/11/24(月) 19:55:44.58 ID:
海未「…さて、これからどうしますか?」

真姫「一度部屋に戻って休憩しましょう」

海未「そうですね。何か飲み物買っていきますか?」

真姫「有料の冷蔵庫があった筈よ」

海未「ならそれでいいですね」

真姫「うん」

海未「あ、鍵はフロントに預けているのでした。取ってきますね」

真姫「分かったわ」

海未「では行って来ます」

真姫「行ってらっしゃい」















海未「……私達の部屋、何号室でしたっけ」

真姫「…覚えてない」

海未「はは……受付の人に尋ねましょう」
29:2014/11/24(月) 20:06:30.78 ID:
ガラッ


海未「…ふぅ」 ドサッ

真姫「温泉って気持ちいいけど、上がった後はどうしてもぐったりしちゃうのよね」

海未「そうですね…でも、それが気持ちいいのですけどね」

真姫「そうね」 ガチャン

真姫「海未、何飲む?」

海未「何がありますか?」

真姫「アクエリとポカリとダカラとH2Oとゲータレードとアミノ式が入ってるわね」

海未「何ですかその部活のクーラボックスチョイス」

真姫「ごめん、嘘」

海未「ですよね」

真姫「お酒は後で飲むとして、アクエリとオレンジジュース。どっちがいい?」

海未「ではアクエリを二人で分けて飲みましょう。こういう場所の飲料水はお値段が割増ですから」

真姫「そうね。コップ用意するわ」

海未「ありがとうございます」
32:2014/11/24(月) 20:07:56.19 ID:
もうだめだ…
33:2014/11/24(月) 20:08:18.86 ID:
ワロタ
34:2014/11/24(月) 20:09:07.75 ID:
この流れ正直すき
36:2014/11/24(月) 20:14:42.87 ID:
真姫「はい、海未の分」

海未「ありがとうございます」  

真姫「乾杯?」

海未「しますか?」

真姫「うん。乾杯」 チンッ

海未「はい、乾杯」 チンッ


…ゴクリ













真姫「……火照った身体に染み渡るわ」 

海未「ふぅ…同感です」

真姫「今なら何杯でもいけそうね。もう一本出そうかしら」

海未「駄目です」
42:2014/11/24(月) 20:30:15.60 ID:
真姫「駄目?」

海未「飲み過ぎてお腹壊したら旅行どころではなくなりますよ」

真姫「まぁ、それもそうよね」

海未「何事も適量が一番です」

真姫「分かってるわよ」 ゴクッ

海未「本当ですか?」 ゴクッ

真姫「それよりこっち来てみなさいよ。いい眺めだから」

海未「はいはい、今行きますよ」 ガタッ


ガララッ









海未「……海が綺麗ですね」

真姫「自画自賛?」

海未「茶化さないでください」

真姫「はいはい」
48:2014/11/24(月) 20:42:39.34 ID:
海未「旅館の善し悪しは広縁で決まると聞きますが…」

海未「どうやら此処は最高の場所の様ですね」

真姫「うん、夕日が海に沈んでて凄く綺麗」

海未「知ってて此処を予約したのですか?」

真姫「ううん、ただお料理が美味しいって聞いたから」

海未「ふふっ、そうでしたか」

真姫「でも、こんなにいい景色が見れるなんて、真姫ちゃんに感謝しなさいよ?」

海未「はいはい。ありがとうございます」

真姫「うん」



サザーン…











真姫「ところで海未、お腹空かない?私?全然そんなこと無いわ。まだまだよ」 クゥ  クゥ 

海未「そろそろお願いしましょうか」
50:2014/11/24(月) 20:50:09.94 ID:
うみまきは至高ですわ
53:2014/11/24(月) 20:58:33.38 ID:
…カチャン




真姫「…ふぅ、ごちそうさま」

海未「ご馳走様でした、…美味しかったですね」

真姫「そうね」

海未「……?」

真姫「何?」

海未「いえ、何だかいつもより真姫の表情が普通だと思いまして」

真姫「ちょっと、普通って何よ。いつも普通じゃないみたいじゃない」

海未「だってこれだけの料理を口にして感想がそれだけとは思わなかったので」

海未「あまり美味しくなかったのですか?」

真姫「うーん…そんな訳じゃないけど」










真姫「……ちょっと違うのよね」

真姫「美味しいけど、それだけっていうか…よく分からない」

海未「…ほう」
58:2014/11/24(月) 21:06:33.93 ID:
真姫「何?」

海未「いえいえ……ふふふ」

真姫「何よもー、気持ち悪い」

海未「何でもありませんよ。ふふっ」

真姫「意味わかんない」

海未「あっ、それ久しぶりに聞きました」

真姫「えっ?」

海未「懐しいですね…μ'sで活動していた時を思い出します」

真姫「ちょっと、私にも分かるように説明しなさいよ」

海未「うーん…」

真姫「ちょっとー」












海未「…やはり口癖というものは本人自身では気付きにくいのでしょうか?いやですが……」 ブツブツ

真姫「ねー!無視しないでー!」 ポカポカ
65:2014/11/24(月) 21:20:00.39 ID:
真姫「……」 ブスー

海未「いい加減機嫌直してくださいよ」

真姫「別に怒ってないわよ」

海未「怒ってるじゃないですか」

真姫「……」 プイッ

海未「はぁ…」

海未「あっ」

海未「真姫、いいものを見つけましたよ」

真姫「何?」

海未「こっちです。行きましょう」

真姫「ちょっと待ちなさいよー」











真姫「…あ、これって」

海未「UFOキャッチャーですね。随分と古いですが」 
66:2014/11/24(月) 21:26:49.40 ID:
真姫「…嘘でしょう?これ、私達が全員で初めてゲームセンターに行った時にあった景品じゃない」

海未「旅館にあるゲームコーナは場所によってはずっと放置されていると聞きましたが」

海未「もしかするとここは、私達が高校生の時が一番繁盛していたのかもしれませんね」

真姫「軽くタイムスリップした気分だわ」

海未「私もです」

真姫「……やってみる?」

海未「やってみましょう。こんな奇跡滅多にありませんよ」

真姫「…そうね」


ガチャ チャリン…












真姫「でも私UFOキャッチャーなんて殆どした事ないけど」

海未「……私もです。二人で力を合わせて頑張りましょう」 

真姫「お札、崩してくるわ」
69:2014/11/24(月) 22:02:24.21 ID:
ウィーン…


海未「真姫、もう少し右です!」

真姫「ちょっと待って!一回この位置で動かした方がいいのよ!」

海未「ですがそこは!あっ…」 

真姫「ちょっと!どうしてアームがいきなりズレるのよ!」

海未「だからもう少し右だと言いましたのに…」

真姫「もう許さないんだから!海未、両替してきて!」


ウィーン ガコンッ

















真姫「…ふ、ふん。この真姫ちゃんにかかればゲームなんて簡単ね」

海未(私何回両替しましたっけ?6、7、8……)

海未(やめておきましょう)
70:2014/11/24(月) 22:08:53.50 ID:
ガチャ



海未「ふぅ……」 

真姫「……疲れた」

海未「興奮していましたからね」

真姫「あ、もう布団用意されてる」

海未「流石ですね」 ボスッ

真姫「うん」 ボスッ

海未「……」

真姫「……」













海未「…この大きい枕のせいで起き上がる気力が湧いてきません」

真姫「このまま寝ちゃいそう」
71:2014/11/24(月) 22:14:33.00 ID:
海未「って駄目です」 ガバッ

真姫「えっ」

海未「真姫、まだあれをしていません」

真姫「あれ?」

海未「あれと言ったらあれですよ」

真姫「あれじゃ分からないから行動で示しなさいよ」

海未「ではお教えしましょう」 ゴロゴロ

真姫「何で立って動かないのよ」

海未「立ちたくないからです」 ガチャ バタン

真姫「まぁ分からなくもないけど」


カチャン…









海未「…これをしないと、今日一日が終わったとは言えませんよ」

真姫「…あ、そうね。その為に二本目我慢したのよね」
76:2014/11/24(月) 22:28:12.29 ID:
カシュ

トクトクトク…


海未「…こうやって真姫と二人で飲む機会も少なくなるのでしょうね」

真姫「……そうね」

海未「寂しいですね」

真姫「別にもう会えない訳じゃないでしょう」

海未「そうですね」

真姫「……」

海未「はい、用意出来ました」

真姫「ん」 スッ

海未「では乾杯の音頭は真姫がお願いします」

真姫「ええっ?私?」

海未「はい」

真姫「いきなり言われても…ええっと」












真姫「…卒業おめでとう、海未。乾杯」 チンッ

海未「ふふっ、まだ卒業はしていませんよ」 チンッ
78:2014/11/24(月) 22:35:06.25 ID:
海未「…んくっ」 ゴクッ

真姫「……」 ゴクッ

海未「ふぅ…」

真姫「はぁ…」 

海未「やはりこういった場所で飲むお酒は一味違いますね」

真姫「そうねー…何も気にしないでいいからすぐ酔っちゃいそう」

海未「真姫はいつでも酔いつぶれてしまうでしょう?」

真姫「うるさいわねー」 ゴクッ

真姫「海未、グラス空いてるわよ。はい」

海未「あ、ありがとうございます」

真姫「ん」 トクトク










真姫「……はぁ~」 ドサッ

海未「寝ないで下さいね、一人酒は寂しいですから」

真姫「分かってるわ。今日は頑張るから」
80:2014/11/24(月) 22:43:26.11 ID:
真姫「……」 ゴクッ

海未「……」 ゴクッ

真姫「…時間って、本当にあっという間に過ぎていくのね」

海未「えっ?」

真姫「……」

海未「…まぁ、楽しい時間は過ぎるのが早く感じてしまうのでしょう」

海未「私にとってこの4年間の思い出は、かけがえのない宝物になると思います」

真姫「…そう」













海未「真姫はどうですか?」

真姫「私?」

海未「あなたにとって今という時間は、どんなものでしょうか?」
82:2014/11/24(月) 22:54:13.60 ID:
真姫「…私は」

真姫「三年間、とても楽しかった。私にとってもかけがえのない宝物よ」

海未「そうですか。それは良かったです」

真姫「海未と一緒の大学に来て、色々教えてくれて」

真姫「時々どうでもいい事で言い合いとかしちゃって、でも仲直りしたあと、遊びに行ったり飲みに行ったり」

海未「…はい。そうでしたね」

真姫「入学した時は、研究とか実験とかばかりの大学生活になると思ってたから」

真姫「正直、こんなに楽しい思い出ばかりになるだなんて予想だにしなかったわ」

海未「それは……良かったですね」

真姫「うん」












真姫「…だから、残りの一年間には何も期待してない」

真姫「私一人だけだったら、こんなに素敵な日々は送れないもの」
86:2014/11/24(月) 23:03:45.10 ID:
海未「……」

真姫「実際、来年の6月には試験があって、もう大学生活を謳歌してる場合じゃない」

真姫「ホント、上手く出来てるわよね。海未が社会に出て、私は勉強の日々を送る」

真姫「院に行くとしても、今以上に楽しい事が待ってるとは思えないもの」

真姫「…丁度いい境目なのよ、今って」






海未「真姫」

真姫「でも、仕方無いのよね」

真姫「どんなに逃げたって、結局は通る道だから」

真姫「でも、そうね」

真姫「その時がもう目の前にあるんだ、って思うと」









真姫「…凄く、怖いの」

海未「……」
88:2014/11/24(月) 23:17:56.20 ID:
海未「…それは、私だって同じです」

海未「未だに自分がこれから社会に出ていく。という感覚がないのですから」

真姫「海未も?」

海未「今までどんなにいい点数をとっても、それは学生の範囲でしか評価されない」

海未「そして同じように、私達学生は学校という狭い領域によって守られていた」

海未「それが全て消滅して、残るのは自分の身体と資格のみとなります」

海未「これからは全て自己責任となり、私の行動を誰も守ってはくれません」

真姫「……」

海未「あまり、考えたくなかったのですけどね」

海未「真姫の所為で現実を向き合わなければいけなくなりました」

真姫「……」











海未「でも、そんな辛い現実の中、悩みを分かち合える仲間がいる」

海未「私は、それを支えに頑張っていけると思っています」
89:2014/11/24(月) 23:23:38.23 ID:
真姫「…海未」

海未「理想と現実の落差に失望しても、その辛さを吐き出す先がある」

海未「その辛さを吹き飛ばすような笑い声を一緒に出せる人がいる」

海未「これって贅沢だとは思いませんか?」

真姫「……」

海未「確かに、二人で出来る事なんて高が知れています」

海未「でも一人で抱え込む事しか出来ない人間より、私は幸せだと胸を張って言う事ができます」

海未「その証拠は、思い出として心に残っていますからね」

真姫「……」
91:2014/11/24(月) 23:31:06.16 ID:
海未「…これから私は、恐らく何度も壁に当たり、辛い思いをすると思います」

海未「その時、誰かが話を聞いてくれるだけで、私の意志は崩れずにその壁に立ち向かう事が出来る筈です」

海未「その時は、真姫」

海未「私の愚痴相手になっていただけますか?」

真姫「冗談言わないでよ。私は相談窓口じゃないわ」

真姫「誰かの愚痴を永遠と聞かされるだけの相手なんて考えたくもないわ」

海未「それはそうですよね」










真姫「…私も、ちゃんと愚痴らせなさいよ?」

真姫「じゃないと、ネチネチした長文メールを毎回送ってあげるんだから」

海未「……はいっ」
94:2014/11/24(月) 23:40:25.27 ID:
海未「…ふふふっ」 ドサッ

真姫「ちょっと何よ寝転がっちゃって」

海未「少し酔ってしまいました」

真姫「絶対嘘。あなたがその程度で酔うはずないじゃない」

海未「酔っていますよ。何故なら…」

海未「普段の私なら、こんな事はしませんからねっ!」 ガバッ

真姫「きゃあ!?ちょ、ちょっと!海未何して」

海未「」 コショコショコショコショ

真姫「んひぃ!?ひゃあああははははははは!や、やめっ!やはははははははっ!」 バタバタバタ

海未「ここですか?ここがいいのですか?」 コショコショコショ

真姫「ひゃははははんっ!?や、やめなさいって言ってるでしょうー!」 ボスッ!

海未「へぶっ!?」

真姫「お返しよっ!そのまま死んじゃいなさい!」 コチョコチョコチョコチョ

海未「んひっ!?ひゃはははははははは!や、やめっ!ごめんなさははははははははは!!」 バタバタバタ

真姫「えいっ!えいっ!えいっ!」 コチョコチョコチョコチョ

海未「ひぃぃぃっ!こ、降参ですっ!だからやめてぇあはははははははははははは!!!!」













海未「はぁ、はぁ、はぁ…」

真姫「はぁ、はぁ、はぁ…」

海未「……あの、真姫」

真姫「何よ」
95:2014/11/24(月) 23:43:38.71 ID:
「……これからも、ずっと友達でいてくれると嬉しいです。」


「何言ってるのよ……当たり前じゃない。よろしくね。」








.
97:2014/11/24(月) 23:48:36.00 ID:
・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・




海未「……んっ、冷たっ」

海未「ふぁぁ…あれ、いつの間にか寝ていたのですか」

海未「うう寒っ……今何時ですか……ええっとチェックアウトの時間は」











海未「……ん?」

真姫「スー…スー」 Zzz…
99:2014/11/24(月) 23:58:06.44 ID:
海未「…あ、あ」

海未「ああああああああああああっ!?!?」 

真姫「んん…何ようるさいわねー」

海未「ま、真姫!あ、あなたなんて事をっ!」

真姫「ええっ…?」ムクリ

海未「何故飲みかけの瓶を持ったまま寝ていたのです!?」

海未「お陰で私の浴衣がびしょびしょじゃないですかっ!!」

真姫「ちょ…お漏らしって…嘘でしょう…海未その歳になってまで何やって…」 ポロポロ

海未「何泣いているのですか!泣きたいのはこっちですよ!ふざけないでください!」

真姫「でもビールだから洒落にならない色ね」

海未「本当ですよ!どうしてくれるのですかもうっ!」

真姫「わ、悪かったわよ…取り敢えず落ち着きなさいよ、ねっ?」









海未「はぁ…もういいです朝風呂に行きますから」

真姫「あ、じゃあ私も行く」
102:2014/11/25(火) 00:00:21.22 ID:
ビールで回避したか
112:2014/11/25(火) 00:10:06.09 ID:
…チャポン


海未「…はぁ、人生で一番最悪の目覚めです」

真姫「ごめんってば、もう謝ったでしょー?」

海未「全くもう……」




チャポン……




海未「…あ」

真姫「何?」

海未「そう言えば、この後の予定を考えていませんでした」

真姫「ええっ?どうするのよ」

海未「うーんそうですね……」









海未「…取り敢えず、真姫が100数えるまでには考えておきますね」

真姫「いいわよ。いーち、にーぃ……ごめんやっぱ無理」 ザバァ

海未「相変わらず早いですね……ふふっ」

 




~おしまい~
113:2014/11/25(火) 00:11:14.80 ID:
乙!
まったりうみまきいいね~
121:2014/11/25(火) 00:28:49.10 ID:
あー、癒された
138:2014/11/25(火) 02:48:12.06 ID:
うみまきの雰囲気いつも癒される
139:2014/11/25(火) 07:12:10.20 ID:
うみまき最高